2010-04-08

近大の紀要に論文を書きました。

前の精華の紀要論文と同じで、これも去年の春に書いたものです。
書誌情報等は3.学術論文 (Audible Culture)をご参照ください。本文もあります。

2007年に博士論文を書き終えた後、とりあえず「日本でできるアーカイヴ調査」と「1960年代の現代音楽の受容状況の調査」をしたいと思って、『音楽芸術』の1950‐60年代のものを調査してそこで見つかったテーマをまとめたものです。
「電子音楽」と「コンピュータ音楽」が日本に導入された頃、1954年と1967年に書かれた二つのレトロ・フューチャーを比較することで、どんな音楽の未来が想像されていたかをまとめて比較しました。けっこう単純な議論でここから大きな展望が開けるといった類の論文ではないですが、たぶん、日本の電子音楽に関心のある少数の人には便利なものになっただろうと思ってます。

2007-2008年は50-60年代の『音楽芸術』を通読してたのですが、一昔前の雑誌は、現在と物事のパースペクティヴが違うので面白いですね。
幾つかの課題を出せたけど、それとは別に、この論文の続き(コンピュータ音楽とライブ・エレクトロニクスの受容状況を比較したもの)が、10月に出る京都造形大の紀要に載るはずです。
また「日本でできる雑誌調査」という研究手法にはまったこともあり、ちょっと別の関心から大正期の音楽雑誌を調査した成果が、京都国立近代美術館の研究紀要に出せるはずです(まだ修正中でどういうオチになるかよう分かりませんが)。

我ながら、色々やって迷走してる感もありますが、どれかはモノになるだろうと思いつつ、しばらく迷走してます。

僕が迷走してる間に、アメリカで世話になった和歌山の同級生が文部科学大臣賞をもらったらしく、それがどれくらい大層なものかは分からないけど、めでたいです。とまりいは大変性格の良い人なので、ぜひともガンバッテ欲しいもんです。

文部科学大臣表彰:紀の川市出身の東大准教授・泊さん、若手科学者賞に /和歌山 - 毎日jp(毎日新聞)

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