2013年2月6日水曜日

DVD: Gustav Deutsch, Film Ist 1-12 (1996-2002)

ドイチェは1952年ウィーン生まれの映像作家。これは20世紀末から21世紀初頭にかけて制作された、映画語法をテーマにしたメタ映画。
実験映画だし集中して見ないときついなあと思ったが、3あたりからとても面白くなってきた。
メタ映画がどうこうではなく、それぞれの作品に何が映されているかを説明した方が面白いと思う。
ちょっとリズムのあるドローン音楽も面白い。


1-6と7-12は別々に発表されたようだ。
1. 1-6

例えば、1では映像内部の動き(上から下へ、右から左へ、など)がテーマになっているようで、「部屋の外からさした光が上から下に動く映像」の次に「部屋の外からさした光が右から左に動く映像」が続き、その次に「波形の図形が左下から右上に波打つ映像」が続く、など。
4ではスライドが再生される。フィルムがコマ送りされ、コマの中に開けられたいくつかの穴が移動するようにみえる(映されている女性の表情も少し変化する)。「コマ送りがもたらす動感」がテーマだ、とまとめられるだろう(なんとなく参照できるかもしれない説明:Film ist. 1-6:)。

2. 7-12
1-6とは違って、サイレント映画における表現技法をテーマにしたメタ映画。
9ではサイレント映画の冒険のシーンが抜粋されて、少し遅い速度で再生される。10では「フィルムの汚れ」から抽象的なイメージが生成されたり、そのイメージが「夢の描写」と重ねあわせられたりする、などなど。

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1998?
1 Movement and Time
2 Light and Darkness
3 An Instrument
4 Material
5 The Blink of an Eye
6 A Mirror

2002?
7 comic
8 magic
9 conquest
10 writing and language
11 emotions and passion
12 memory and document

Gustav Deutsch - Film ist. (1-12) [PAL DVD] Index - Art into Life:
[DVD Index]
Film ist... [1-12] 77:00 min
BONUSTRACK 1: Uber. Gustav Deutsch
BONUSTRACK 2: Film ist. (1-12), DVD Installation


wuemme experimental film: Who's Who ; グスタフ・ドイチェ Gustav Deutsch:
ドイチェはオーストリアの映像作家。
(僕はどこでこの人のこの映像を知ったのだろう?)

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ふと、こういうメタ映画でも、筒井康隆が作ったらエンターテイメントになるのだろうなあ、と思った。
『文学部唯野教授』って、20世紀の批評理論とメタ小説を、大学を舞台にしたお話に組み込んでいたすごい小説だったなあ、と思って。
で、それを思い出したのは、最近、奥泉光の『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』をパラパラと読んでいるからである。いわゆる「潰れそうな田舎の私大」を舞台とする小説なのだが、物語はともかく(実はまだ一話目の半分くらいまでしか読んでない)、(一話目の最初にある)「(田舎にあるやたら名称が長い私立)大学の描写」が「ああ、そうだよなあ」と思うことが多く、恐ろしいお話なのである。

文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)
筒井 康隆
4006020015

桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活
奥泉 光
4163804609

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