2016年12月13日火曜日

メモ:ミカエル・リュケン 2016 『増補改訂版 20世紀の日本美術(同化から越境への軌跡)』 南明日香(訳) 東京:三好企画。

久しぶりに、明治維新以後の日本近現代美術史を勉強した。
日本美術史にめちゃ詳しいフランス人の概説史は概括的に役に立つ。
とはいえ、基本的にはWWIIまでの専門家のように思われる。
僕が勉強する必要があるのは1960-90年代の日本美術史だが、そこはすごく駆け足。
「もの派 →アラーキー、村上隆、奈良美智、会田誠 →311の状況」をたった2節で説明するだけなので。
とはいえ、改めて勉強になった。
足りない部分を他で補っていこう。


増補改訂版 20世紀の日本美術 (同化から越境への軌跡)
増補改訂版 20世紀の日本美術 (同化から越境への軌跡)ミカエル・リュケン Michael Lucken 南 明日香

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メモ:パブロ・エルゲラ 2015(2011) 『ソーシャリー・エンゲイジド・アート入門』

羽田→広州の機内で1-4を読了。これで半分強。残りの5-10は斜め読み。残りは各章が短かった。

コミュニティ、状況、会話、コラボレーション、敵対関係、パフォーマンス、ドキュメンテーション、超教育学(これはエルゲラの造語)、Deskilling(「熟練の解体と再構築」と訳される)という、(一般名詞のように)その意味が自明であるかのように使われるいくつかの言葉について多角的に検証するハンドブック。
必ずしも、アーティストがSEAを行うためのハウトゥー本ではないが、でも、そもそもは大学の授業のために書かれた本らしい。
例えば、コミュニティの参加のあり方にも幾種類かあると示したり(50-51)、「会話」といっても、SEAにおける会話にはいくつかの分類が可能であると分類して表にして見せてくれたり(100)、当たり前の分類なのだけど、改めて分類してあると、便利。
国際学会で発表するときなどに使えそう?!

一番面白かったのは、著者が、ソーシャル・ワークとSEAの一番の違いは「アートワールド」を「第二の対話者」として念頭に置いているかどうかだ、と言っていたこと(86-87)。コミュニティ全体を巻き込む運動として、アートとソーシャルワークとの違いを説明するには分かりやすい区分だけど、じゃあ、アートワールドを念頭に置かない活動はアートじゃないのか?と思わざるをえない。

いまの中川の問題関心からすれば、7. performance, 9. transpedagogyあたりは、参考になる。
乱暴にまとめると、SEAにおいては、半ば必然的に、パフォーマンスや教育的意図が中心的プロセスに入り込んでいる、という指摘。

ここから論理を飛躍させて、〈1980年代日本におけるパフォーマンスやサウンド・アートにおける教育的意図〉は、日本のSAが、SEA的な動向とともに輸入されたことを示している〉という仮説を考えてみたくなる。

パブロ・エルゲラ 2015(2011) 『ソーシャリー・エンゲイジド・アート入門』 アート&ソサイエティ研究センターSEA研究会[秋葉美知子/工藤安代/清水裕子](訳) 東京:フィルムアート。

ソーシャリー・エンゲイジド・アート入門 アートが社会と深く関わるための10のポイント
パブロ・エルゲラ アート&ソサイエティ研究センター SEA研究会
4845914506

2016年12月10日土曜日

メモ:netflixで映画『海街diary』

是枝裕和監督だし、吉田秋生原作だし、とても楽しみにしていた。
のだが、そりゃあ確かに四人の女優は豪華絢爛だし脇役もステキだし、是枝裕和演出はいかんなく渋かったし、素晴らしかったのだけど、なにか物足りない。
吉田秋生のマンガの登場人物に特有の「むやみやたらと溢れ出てくる人生に対する切迫感」みたいなものがないんじゃないだろうか。
吉田秋生のマンガって、キレイなだけでも優美なだけでもない、汚くてドロドロしてるのが魅力なんだなあ、と思った。
吉田秋生のマンガの登場人物って、100%美男美女っていないしな(たぶん)(僕には、みんなちょっとエラが張ってるように見える。カリフォルニア物語のヒースもバナナフィッシュのアッシュも。他のも)。
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2016年12月2日金曜日

メモ:Word:保存すると変更履歴が同じ色になってしまう(校閲者名が作成者になる)問題

あるいは、Editageから帰ってきた英文校正済みファイルを、開いて保存すると、校閲者名が「作成者」になってしまう問題。

校閲>保護>文書の保護 をクリックすると、この画像のように「パスワードによる保護」というタブ(?)が出てくる。

「保存する時に個人情報をファイルから削除する」のチェックを外す

これでEditageの校正者の修正と、自分の修正を区別できるようになる!

2016年11月29日火曜日

メモ:永井純一『ロックフェスの社会学 個人化社会における祝祭をめぐって』(ミネルヴァ書房、2016年)

読了。フェス行ったことないし今後もたぶん行かないだろう僕が、フェスで卒論書く学生の卒論指導に使える、イカした本でした。

祝祭とはどのようなものであるかという社会学的な義論を参照しつつ、フェスについて概括的に分析してくれていて、勉強になりました。
最後の章で、フェス内格差とロスジェネの話があって、僕の生活実感と全然違う結論が引き出されていて、面白かったです。緩めのつながりの場所としてフェスが機能する云々という結論には、僕は共感できないけど(そもそもフェスに行くひとが周りにいなかった。同世代なのに不思議だなあ。)、今の大学生はこの結論をどんな風に読むのだろう。共感するやつもいるのだろうなあ。


「イベント」の起源は大阪万博だってのは(147)、よくある話なのかもしれんけど、言わせてみれば確かに!と思いました。
いつかフェスに行くこともあるのかなあ。フェス行く金があれば、高級温泉に行くだろうなあ。





2016年11月22日火曜日

メモ:中村文則『掏摸』

中村文則というのは現代のドストエフスキーのようにスゴイ、みたいな評価を見たことがあるような気もするが、よく分からん。

掏摸(スリ) (河出文庫)
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2016年11月4日金曜日

メモ:SOBO 25th Exhibition Hoonida Kim / Space Composition

SOBO 25th Exhibition Hoonida Kim / Space Composition

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中川 克志さんが写真5件を追加しました。
12時間前横浜市
フニダさん(Hoonida Kim)の個展(SOBO 25th Exhibition Hoonida Kim / Space Composition)のオープニングに行って、パフォーマンスと展示を堪能しました。原稿うまく書けないので気分転換したくて来たってのもあるのだけど、来て良かった。
面白かった。
パフォーマンスが、パフォーマンスなのにジャネット・カーディフの《40声のモテット》の改良版みたいだ、と思いました。
パフォーマンスも展示も〈スピーカー部分にハンコみたいなものが埋まっているように見える不思議音具〉を使うものでした。そこからは車の交通音とか川のせせらぎとか地下鉄の駅の音とか環境音が再生されていて、しかもどうやらその傾け方などに応じて録音の再生される音量か何かのパラメーターも変化する、という代物だったようです。
パフォーマンスは、パフォーマー数名(スンブンさんSeungBum Kimもいました)がそれを持ってお客さんの間を動き回る、というパフォーマンスでした。なので、色々な環境音が色々な方向から色々な音量で聞こえてきたわけです。ジャネット・カーディフを思い出した所以です。しかも、そこで再構築される環境音のようなものは、実は、現実世界では決して経験できない音像だったわけです。また、そういう、いわば「環境音のようなもの」を聴いていると、ギャラリーにいると聞こえてくる、外の通りの話し声とか車の声が、改めて面白く聞こてくる、という効果もありました。この音は現実の環境音なのか、それとも不思議音具が再生する「環境音のようなもの」なのか、などと思うわけです。ジャネット・カーディフの改良版という印象を覚えた所以です。
そのパフォーマンスの後すぐに、パフォーマンスに使った不思議音具を一階上の会場に展示し、4,5人ずつが部屋に入って、インスタレーションを見に行きました。
インスタレーションは、不思議音具を天井からゴムで吊り下げたものでした。天井から吊るす植木鉢、みたいな感じ。で、それを揺らすと、不思議音具から録音が再生されるわけです。で、勿論、揺れる角度に応じて再生される音量か何かのパラメーターも変化するとのことです。
不思議音具を揺らすと、その絶妙に小さな音量が、壁や天井にちょうど良い音量で反射し、録音が色々な方向から聞こえてくるわけです。これはパフォーマンスとは違って、ギャラリーの外の音にではなく録音に集中する経験で、これはこれで、音に集中する経験になって、面白かったです。あと、見かけが何だか面白かった。
フニダさんはこの不思議音具の再生の挙動について、微妙な調整を何年もかけてキチンとやってきたそうです。僕は何の違和感も感じず、そのインスタレーションを楽しむことができたのは、そのおかげなんだろう、と思いました。その「微妙な調整」のために、ブレッドボードなどを使う必然性はあるのだろうな。 
以上、感想のメモです。
作家の意図をあまりちゃんと受け止めていないような気もするけど。
面白かった。
後は、ちゃんと発表準備さえできれば何の問題もないのに!
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Hoonida Kim あいがとうございます。
中川 克志 面白かったです!
中川 克志
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メモ:杉本良夫『オーストラリアー多文化社会の選択ー』(岩波新書、2000年)



杉本良夫『オーストラリアー多文化社会の選択ー』(岩波新書、2000年)
初めての国に行く場合は、その国のことを少し知ってから行く方が面白いので、来月オーストラリアに行く前にオーストラリアに関する本を読んだ。読みやすくて良い新書でした。
まあ、来月の発表準備が全く進んでいないという現実に変わりはないのだけど!
まいったな。
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輪島 裕介 IAPSM? Crossroads? いずれにせよいいなー。
中川 克志 IAPSMもあるんですか? 僕はCrossroads in Cultural Studies 2016です。
準備あんまり進んでないので、今回も勢いだけでやってしまいそうな気がしてるけど、シドニーに行くのをかなり楽しみにしてる!
輪島 裕介 IAPSMはモナシュ大学なんだけど、わざとクロスロードの直前にしてハシゴしやすいようにしたらしいですよ。
中川 克志 なるほど。そりゃもちろん参加者重なりますね。僕、香港でサウンド・アート研究してるひとに誘われたのでCrossroads in Cultural Studies 2016のことを知ったのです。いろいろ情報収集していかねば。
輪島 裕介 なるほど。一気に人脈広がりそうですね。
クロスロードと重ねたせいでIAPSMが夏じゃなく冬になった結果JASPM大会と至近になったので断念しました。こちらは泣きながらJASPM事務局やっときます…
中川 克志 わお、なるほど、そういう問題もあったんですな。いつかきっとその下積み(?)が花開くに違いないので、よろしくおきばりください!
佐藤 守弘 この本は随分昔に読んだ。高校の大先輩らしい
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95年1刷発行です。カバー表紙に経年ツカレ(微ヤケ・小キズ・ソフト折れ跡)がございます。本文は、経年のわ…
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中川 克志 おお。新書の方はポイントをおさえた平易な文章が読み易かったので、これも面白そう。
そういう文章、憧れるわあ。