2020年8月4日火曜日

メモ:増田直紀『海外で研究者になる 就活と仕事事情』(中公新書、2019年)


著者は僕と同じ学年だった。また、けっこう前から、日本人が研究者として海外の大学に就職するという選択肢はかなりフツーになっていたらしいことにも驚く。しかも、ここに登場する多くの日本人が、海外の大学で学位を取得したわけではなく、日本の大学で博士を取得した後に海外の大学で就職している。ポスドクを経験したり学会運営に協力したりすることで、海外とのつながりを得ていくようだ。
著者の文体は簡潔明快でしばしば小気味好い。
「最初に認識すべきは、世の中は「この人は研究が素晴らしいから採用しましょう」という仕組みでは動いていない、ということである。」
「どのような書類でも、読み手がいて、読み手には時間がないのが世の中の常である。」
「たいていの人は、細かいことは知りたくないし、読みたくない。」
「海外PIを最初から狙っていたわけではなかったが、私は単に海外好きなのだ。」
などなど。
現状を深く分析する言葉を求めるならばしばしば物足りないが、現状を報告してくれるこの本のような文体としては小気味良い。

自分が学部生の頃は、自分が留学できるかも、とはまったく思わなかった。そもそも、海外に観光旅行に行く友人もほぼいなかったし。
自分が大学院生の頃は、自分が海外の大学で学位を取れるかも、ともまったく思わなかった。海外で学位を取ろうと二回目にカリフォルニアに行ってから思わなかった理由は明白だが、一回目に行く前から考えもしなかったのは、なぜか。

様々な点で人文学と科学との差異を感じる。研究者が人文学の「意義」を理解するのはなんか難しそうだ。 

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