2021-08-29

メモ:Kindleで石田勇治『ヒトラーとナチ・ドイツ』(講談社現代新書)

〈ナチスドイツは良いこともした〉論のインチキさをきっちり説明してあるし、良い新書だった。

Kindleだと読み終えた本が埋もれていってしまうが。なんでAmazonは
まともなアプリ作らないのだろう。

2021-08-28

メモ:Kindle Unlimitedで朱野帰子『超聴覚者 七川小春 真実への潜入』(講談社文庫)

〈遺伝子治療によって聴覚が異常に発達した〉 という設定にひっかかって読み始めたけど、この設定自体は、たいして活用されていなかった。

のだが、主人公や脇役たちによる〈正社員登用に対する渇望〉〈正社員の給料の低さ〉〈年金世代に対する不公平感〉などの描写が、けっこう長く、氷河期世代として(僕自身は給料もらえるけっこうな身分になれたとはいえ)身に沁みて、そこが面白くて、読んでしまった。

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超聴覚者 七川小春 真実への潜入 (講談社文庫)

超聴覚者 七川小春 真実への潜入 (講談社文庫)

by 朱野帰子

18 customer reviews
九歳の時に受けた遺伝子治療によって聴覚が異常に発達した小春は、勤めていたブラック企業の過酷さに耐えきれず辞職した。再就職が困難を極める中、寿命遺伝子治療薬発売を予定する巨大企業の事業部長から、正社員になる条件として発売阻止を目論む子会社への潜入を持ちかけられる。『真実への盗聴』改題。

2021-08-23

メモ:宮本常一『忘れられた日本人』(岩波文庫、1960年)

宮本常一による戦後すぐくらいの時期に行われた、日本の農村の人々に対する聞き書き。面白く読んだ。

日本中を旅したり世界に出ていったり、結婚したりしなかったり、〈お百姓さん〉というステレオタイプの多様さを知ることができて、いちいち面白かった。

2021-08-07

メモ:「音楽における新造形主義とイタリアの未来派騒音主義者」(1922年)

新装版が販売されていた。

モンドリアン, ピート. 2020. 新しい造形(新造形主義). Translated by 宮島久雄. 東京: 中央公論美術出版.

「音楽における新造形主義とイタリアの未来派騒音主義者」(1922年)をチェック。研究史料として把握しておくべきことは、

1.モンドリアンが〈新しい楽器〉を要請する理路

:自分の抽象絵画のような「新造形主義」を音楽においても実現するための手法

2.モンドリアンは〈音楽への憧憬〉を持たないこと

:絵画こそが一番で、そこにおいて「新造形主義」を諸芸術に援用する中で音楽に言及している

(中川:その言及の仕方を読んで思ったが、このひとはあまり音楽のことが分からなかったのではないか。なんで後に《ブロードウェイ・ブギウギ》のような楽しげな絵画を制作できるようになったのだろう?)

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それと別に思うこと

:こういう文体ってなんなんだろう?

:つうか、100年前の文章とか、もっと読んでいかないといけないのかも。