2022-01-31

メモ:Maur, Karin von. 1999. The Sound of Painting


日本語なら〈絵画における音と音楽の歴史〉みたいな感じで文庫本でありそうな感じ。関連するアーティストの名前がたくさんあり、勉強になる。が、深い考察はない。また、美術と音楽との融合を性急にフルクサスに求めるあたり、なかなかに予定調和な美術中心主義的な言説。

とはいえ、この本の欠点をあげつらっても仕方ない。この本は、さまざまな〈音楽と美術との関連性を語る際のtropes〉の事例を収集したり、僕が知らないアーティストの固有名詞を学ぶための本、として使うべし。

〈19世紀の科学の進化に反応して絵画における時空間の変化があり、その際、音楽がモデルとして使われた〉というストーリー。

2022-01-17

「鈴木昭男 日向ぼっこの空間 7''レコード付き」とは何か


ちょっとした疑問です。どなたか知っていたら教えて下さい。
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先週末東京都現代美術館のミュージアム・ショップで見つけて、早速確保したのだけど、この7インチレコードは何か?

付属の冊子には、これまで展覧会などでは公開されていたが出版はされてこなかった、《日向ぼっこの空間》(1988)の制作時の写真などがある――見覚えがある写真がある。 土祭2018アーカイブ 日向ぼっこの空間/アーカイブ|鈴木昭男|土祭2021  など? あるいは、特集展示 鈴木昭男 音と場の探究 | 和歌山県立近代美術館 など?――。また、2020年8月にBLOCK HOUSEで伊藤悠さんを聞き手に行われた鈴木昭男さんへのインタビューも収録されている。当日の様子について語られている。

しかし、この7インチレコードは何か、という説明がない――ないよね? もしや、僕のだけ不良品とか…?――。

レコードの盤面には「SIDE A Voice ANALAPOS-a (Echo Instruments ANALAPOS 70) 4'36'' / SIDE B Voice ANALAPOS-a (Echo Instruments ANALAPOS 70) 4'12''」とある。でも、この録音が何か、という説明はない。そして、僕の手元には今レコードプレイヤーがない。

日向ぼっこの空間でアナラポスを演奏した時の録音か??? そういう写真も収められているし。だとしたら、そのようにクレジット記載しておけばよいのに…?

2022-01-13

メモ:難波祐子『現代美術キュレーターという仕事』(青弓社、2012年)


現代美術キュレーターという仕事 | 青弓社 https://www.seikyusha.co.jp/bd/isbn/9784787273161/

日本でキュレーターという仕事が活発になり始めたのは1990年代とのこと。自分が比較的近くにいた業界でそんな新しく活発な面白い動きがあったなんて、気付いていなかった。でも、改めて整理されたこういう本を読むと、色々と気づく。ああ、京都芸術センターがああだったのはこういう流れのなかだったからだな、とか、芸術学の研究者がキュレーターしたりするのはこういう流れだったのかたな、とか。

今までまったくなかったが、大阪のギャラリーの方から声をかけてもらったこともあり、僕もキュレーターのようなことをやってみたい、展覧会という形式でなされる活動をこの世の中にもたらしてみたい、という気持ちになっている。

自分から何かイベントごとを仕掛けること。新音響文化研究会でやり続けていることだ、とも言えるのかもしれない。

2022-01-10

メモ:チェンソーマン

年末年始のマンガの大人買い。今年はチェンソーマンにした。が、一気読みする時間がなかなか取れず、やっと読み終えた。人物造形とか物語展開の起伏とか、面白かったのだけど、色々と伏線は回収されないままだし、なんだこりゃ、と思う。〈地獄で悪魔が死ぬときにはチェンソーの音を聞いた記憶だけが残っている〉という話は、あれは何だったんだ?とか。

なんか面白かったけど、話の筋はよく分からんかったなあ、と。あるいは、話の筋はよく分からんかったけど、なんか面白かったなあ、と。

夏から第二部連載開始ってあるけど、これ、続けて意味あるの?
https://chainsawman.dog/

2022-01-07

『新潮』に「クリスチャン・マークレー:音、イメージ、文字、言葉」というエッセイを書きました

中川克志 2022 「クリスチャン・マークレー 音、イメージ、文字、言葉」 『新潮』119.2(2022年2月号):188-189。

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3月になったので刷り出しをスキャンしたPDFを公開しておきます(許可は得てます)。

そのうち文芸誌『新潮』のnoteに掲載されることもあるかもしれないけど、まずは、どうぞ。


https://www.facebook.com/katsushi.nakagawa.9/posts/10226220991528348

文芸誌『新潮』に「クリスチャン・マークレー:音、イメージ、文字、言葉」というエッセイを書きました。「世界には音が溢れている」ことと〈翻訳における創造的な誤読可能性〉について書いてみました。みなさま、どうぞご覧ください。

『新潮』の現物を手にして、この号には掲載されていないけど、久しぶりに多和田葉子さんの小説を読み直そう、と思いました。

「川」が三人並んでる。




2022-01-05

バシェ、ティンゲリー、モリス、ベルトイア以外の20世紀後半以降のサウンド・スカルプチュアの先駆者について

20世紀後半以降の音響彫刻の先駆者としては、バシェ、J.ティンゲリー、ロバート・モリス、ハリー・ベルトイアの四人をあげることが多い。しかし、この4人以外にも多くのアーティストが、1950-60年代にすでに音のある視覚美術作品を制作し始めていた。

Alan Licht, Sound Art Revisited. 2019では、1950-60年代に音のある視覚美術作品を制作していたアーティストとして、ステファン・フォン・ヒューン[Stephan von Huene, 1932-2000]、レン・ライ[Len Lye, 1901-1980]、タキス[Takis, 1925-2019]、ピーター・ヴォーゲル[Peter Vogel, 1937-2017](フェアライトCMIの開発者とは別人)、ヴァルター・ギールス[Walter Giers, 1937-2016]といった名前が言及される。それなりにまとまったウェブサイトがそれぞれ作られているので、〈それぞれの全体像〉を知るのは困難ではない。Takisは2019年に亡くなった時にちょうどTateで回顧展をやっていたし、全員、何らかの図録や論文で扱われている。日本語での情報は、ゼロではないが、少ない。

ただし、全員、必ずしも音にフォーカスした活動をずっとしていたわけではないので、〈それぞれの音のある芸術作品〉に関するまとまった情報を知るのは難しい。というか、それぞれ〈活動全体における音のある視覚美術作品の位置と意味〉を考える必要があるので、〈それぞれの音のある芸術作品〉についてだけ知ってもあまり意味はない。

彼らについて、まとまった形で言及されることはないが、少しずつでも良いから、資料を集めて勉強を進めていこう。何か見えてくるだろう。現段階での予想では、思っていたよりずいぶん前から美術館には音が侵入していたと再認識したり、「キネティック・アート」の重要性を再認識したり、するようになるのではないだろうか。

レン・ライ[Len Lyre]について。

この人が1960年代からキネティック・スカルプチュアを制作していたことを見逃していた。UbuWebのツイートで彼の「Composing Motion: The Sound of Tangible Motion Sculpture」という音源を聞いて、面白かった。彼のキネティック・スカルプチュアがガンガン何かに当たるだけの音が録音されていたりするのだが、心地よい。たぶんこういうのかな?

面白かったので、いくつか調べてみた。

レン・ライの実験映像のDVDを見て以来、今までずっと、彼のことは実験映像作家としてしか認識していなかった。オスカー・フィッシンガーとかVエッゲリングみたいな〈音楽に憧れる視覚芸術〉のヴァリエーション、と考えていた。

しかし、確かにLicht 2019でも言及されている。ここではTakisと一緒に、二人で一段落で、言及されていた(今調べてみたら、この本のKindle版では紙版ページ数が表示されず…)。
ニュージーランドで生まれ育ったレン・ライは、ロンドンやニューヨークで活躍したが、作品の多くはニュージーランドにあるらしい。The Govett-Brewster Art Gallery / Len Lye Centreという場所にあるらしい。
Journal of Sonic Studiesに、まさに、レン・ライの彫刻の音を論じた論文があった。このオンライン・ジャーナルは音や画像も論文に埋め込んでいるのだが、chromeだとフォーマットが崩れる。Safariだと大丈夫だったが。ただ、フォーマットが崩れていなくても、このフォーマットは読みにくい。:Wall, Sarah. 2018. “Len Lye’s Kinetic Experiments: Sounds of Sculpture.” Journal of Sonic Studies, no. 16 (August).

2022-01-01

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます

本年もよろしくお願いします

2022年は飛躍の時です。

「知らんけど」。