2012-12-30

memo-相倉久人『至高の日本ジャズ史』(集英社新書、2012年)

帰省の新幹線がうまくとれなかったので、ひかりのグリーン車に乗っている間にチェックした。
以下、簡単にメモ。
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これは山下洋輔が病気療養を終えて本格的に活動を開始した70年代頭くらいを頂点とする、その時代までの記述。
日本のジャズ史というより、相倉久人という、70年まで「ジャズの現場」にいた評論家の(思い出)話。
刀根康尚の『現代芸術の位相』みたいなものが、2012年になってやっと書かれたみたいなものか。

1.
この人は1970年にジャズ評論を辞めた人らしい。この人の文章は「論理的には信用出来ない」し、文章は基本的に「自己完結している」と思うけど、この人が話す様子は、きっと、とても面白いのだと思う。

2.
1950-60年代の「ジャズ批評に関わっていた人の言葉」を初めて読んだ。
この種類の言葉―「ジャズ原理主義」とか「ジャズ理想主義」とか言えそう―の典型として、一次資料として面白い。

3.
僕は批評とか評論には本当に関心がないようだ。
渋谷陽一のロックのディスクガイドで「音楽を語る言葉」に目覚めたと思ってきたが…。

4.
「日本におけるゲンダイオンガクの受容」と「ゲージュツとしてのジャズ受容」が、幾つかの局面で絡んでいた事例に言及しているので、参照すること。
1962年のケージ・ショックへの言及や、「新世紀音楽研究所」や「ジャズ・ギャラリー8」の活動など。

至高の日本ジャズ全史 (集英社新書)
相倉 久人
4087206696

現代芸術の位相―芸術は思想たりうるか (1970年)
刀根 康尚
B000J92G5E




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