2019-06-30

メモ:相澤冬樹『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋、2018年)


メモ:相澤冬樹『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋、2018年)
NHK内部の忖度報道の具体的な記述はたぶん前半だけで、そのあとは、「記者」が「事実」を入手する具体的な手段とか倫理観とか行動原理とかの記述が多くて、僕にとっては、ルポとかドキュメンタリーが面白いのと同じように、興味深かった。1章で記者の原稿とそのうえのデスクの修正原稿の比較されていたのは分かりやすかった。
これだけ「事実」に密着していると、対象から時間とか距離とかを取るのは難しかろうかなあ、とも思った。もちろん「事実」を知るためには、常に、地道に継続して努力するしか無いのだけど。
森友事件って、値引きの理由も公文書改ざんの理由もどれも明らかになっていないのに、法律的には「不起訴するしか無い」みたいな結論になったから終わりということになったのだとすれば、それは、その司法判断かその法律がおかしいんだろうと思うんだが。
何もなかったみたいな感じで選挙が始まって終わるのだろうなあ。
https://youtu.be/stQiiVw79yU

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2019-06-27

メモ:千葉成夫『現代美術逸脱史 1945-1985』(晶文社、1986年)


千葉成夫 1986 『現代美術逸脱史 1945-1985』 東京:晶文社。

戦後日本の現代美術を通底するヴィジョンを提示しよう、という迫力のある良い本だった。あまりにも「日本」「美術」至上主義なので、この内容と意見には賛同しないけれど。もっと安い値段で入手できるものであって欲しいけれど、論述対象も想定読者層も限定されているし、再販は難しいのだろうか。
まず、この本では日本の事例――具体、「反芸術」(=九州派)、ハイレッド・センター、「環境芸術」としての日本概念派、「もの派」(真正もの派と広義のもの派)、美共闘――しか論じられない。また、現代美術(あるいは現代アート)のことしか論じられないので、社会的文脈の中でアートや芸術がどのように機能してきたか、といった観点がない。というのも、著者は、1.フランス留学時にパリで展示された菅木志雄など「もの派」の作品が、日本国内で展示されたときとパリで展示されたときとで異なる印象を持っていたこと、を出発点に、「日本の文脈の固有性」を考えるからだし、また、2.「絵画と彫刻」の発展型としての(「現代アート」ではなく)「類としての美術」というカテゴリーを提唱するからだし、3.自律的領域としての「美術」について記述している からだ。
つまり、音楽や音を用いる芸術に関心のある僕にとっては、分かりやすく、〈音の問題を視野に入れない現代アート論〉の事例であり、反論対象とすべき事例だった。ちょうど「サウンド・インスタレーション」について言及するやり方を考えようと思っていたところだったし、反論事例として、読みやすかっ。また、これほど「日本という文脈」の固有性と「美術」という領域の自律性を強調するという前提は、僕には共有し難い。確かに「もの派」と「ミニマル・アート」との共通性をナイーヴに強調するだけではダメだが、その文脈の違いを強調しすぎる議論は、疲れる。
おそらく、針生一郎『戦後美術盛衰史』、千葉成夫『現代美術逸脱史』、椹木野衣『日本・現代・美術』、中ザワヒデキ『現代美術史日本篇』あたりを比較考察すると、卒論か修士論文ができそうな気もするのだけど、すべて「美術」の話だし、さしあたり食指の動く仕事ではない。とはいえ、今なら、かつて途中で放擲した椹木野衣『日本・現代・美術』を読めるのではないか、とも思った(がたぶん無理だろう)。

2019-06-11

メモ『コレなんだ? 佐藤慶次郎のつくった不思議なモノたち』(2013)

佐藤慶次郎(作)、第14回共同巡回展実行委員会(編) 2013 『コレなんだ?佐藤慶次郎のつくった不思議なモノたち = 平成25年度市町村立美術館活性化事業第14回共同巡回展 : 岐阜県美術館蔵』 愛知:第14回共同巡回展実行委員会。


:永久機関とかmarble machineとかピタゴラスイッチとかWrkとか。

2019-06-07

メモ:野嶋剛『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』(小学館、2018)

野嶋剛『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』(小学館、2018)
:勉強になった。

メモ:ICCのオープン・スペース2019|別の見方で

梅田宏明さんの室内全面に水玉が動くインスタレーションと、後藤映則さんの針金アニメーション作品(?)が、とても良かった。



Thanks, Edwin, for enjoying lunch and a talk with me. I did learn a lot about the situation around artists in HK and yourself. Hoping your success in your research. Let's have another chance somewhere someday!
And thank you for the shrimp roe noodle. This is awesome! My family really likes it!
Tokasのレジデンスで香港から来ているEdwin Loと、ICCの今年度のオープンスペースを見て、ご飯食べて、お喋りしました。
梅田宏明さんの室内全面に水玉が動くインスタレーションと、後藤映則さんの針金アニメーション作品(?)が、とても良かったです。
エドウィンは今年35歳のアーティストで、それくらいの年代の香港育ちの人間がどんな感じでアーティストになっていったのか、とか、とりとめもなく話しただけだけど面白かったです。今回は七月末までの滞在らしく、また会おうぜ、という感じでよろしく。
ところで、手土産でもらった乾麺、ちょー美味しい。海老が麺に入っている?! 家に常備したい。
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