2021-07-07

メモ:ポール.J・シルヴィア『できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか』

 夕食後、『できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか』を読む。
要旨をひとことで述べれば〈「書く」作業のためのスケジュールを設定してその時間は書けば、論文を書ける〉となる。
実践的なアドバイスとして、書く作業を行ったら何時間かけて何文字書いたかを確認する、「書く」作業にはインプットや統計解析などの時間も含める、「書く」作業とは「授業」とか「大学院生指導」と同じく作業時間として確保すべきである、など。
読んでいて、僕がいま理想としている作業の方法ではないか、と思った。僕のように凡才で非才の人間が「才能」の有無に関わらず文章を書くためには、時間を使って書くしかない。そう思うので、僕は何かの文章を作成する時には、ある程度調査を終えたら、アウトラインを作成し、最終的な文字数の2-3倍の下書きを書き、それを書き直す形で最終的な文章を作成する。自分の作業時間はtogglで可視化することにしている。
自分の「書く作業」のスケジュールへの組み込み方が甘いな、と反省した。また、〈書くためのサポートグループを作る〉というのはやったことがないし、できそうな気もしないが、興味を惹かれた。
とても実践的だったので、1時間程度で一冊読み終えることが出来た。以下のような事柄が説明されていた。折に触れて思い出すべし。


自分の執筆時間は、断固として死守すべし

執筆に必要な作業はすべて「書く」作業である

執筆日ごとに具体的な目標をリストアップすべし

自分の書いている分量を把握すべし

まずは書く、あとで直す:文章を紡ぎ出すことと文章を手直しすることはまったく別の作業である

執筆時にはココロの中に想定読者を持つこと

専門家としての矜持は大切(←査読に対する対応の話)

論文をたくさん書いている研究者は、たくさんリジェクトされている。

「量を書くためには、計画を立て、計画を守らねばならない。それこそが本を書く方法だ。夏を待ってはならない。サバティカルに期待するのは論外だ。」(138)

「出版社にコンタクトする前にどのくらい書いておかねばならないかという点に関しては、意見が別れた。」(142)