2024-11-10

メモ:藤原和通展、今井祝雄展

岡山県立美術館で『藤原和通―そこにある音』展

早朝横浜を出て最終日に滑り込み、すぐに神戸に向かう。
藤原和通といえば1970年代の音響標定と、イタリアから帰国後のウゴウゴルーガなどの活動が有名。この展覧会はそんな藤原和通に対する理解を修正調整してくれた。
音響標定は何度も行われたみたいだけど、僕は、この展覧会で初めて、その記録映像を見た(僕だけじゃないのでは?!)。丸太を選んで運び込んででっかい石臼と石臼を回す回転軸などを作って、そしてすぐに解体する様子の映像。関係者間にはあったのかもしれないが、僕は関係者じゃないので、知らなかった。というか、一時間ほど映像を見ていて思ったのだが、なんの役に立つのか全く分からないこんなものに、よくもまあ、けっこうな人数とお金を巻き込んだものなだなあ。「アーティスト」ってスゴイ。あと、やはりら藤原和通は、「芸術における音の歴史」という文脈より、「1960-70年代の日本における環境芸術とかハプニングとか」の文脈で考えたほうが面白いかも。そのような文脈にいて、「しかし作曲家を志していた人」として。この言い方だと、小杉武久と被るな。だから、ちょっと言葉足らずか。
後年の帰国後のオトショップの展開とかバイノーラル録音とかは、どう考えるべきだろう。映像入りフィールドレコーディング録音を小売り販売するって、音声データ販売が当たり前になった今考えると、「古くなってしまった新しいメディア」でしかないようにも思われるし。
展覧会を企画した学芸のホンさんと少しお話しする。藤原和通関連でもっと深掘りできるらしいことを知ったり、アーティストの生き様について色々学んだり。今後の展開が楽しみ。

今井祝雄展@芦屋市立美術博物館

写真、映像、ビデオ、磁気テープなどを用いながら、時間経過を記録し続けることによって何かを曝け出そうとしたり、コンセプチュアルに何かを記録することによって何かを曝け出そうとする1970年代の今井は、かなり、「メディア」アーティストだし、「(バズワードとしての)現象」を相手にしていると説明ざるを得ないような作家に思われる。が、バズワードで説明される作家が多くの場合そうであるように、ここでも単に言葉が足りないだけだ。正解に、今井は、当時新しかったメディアを用いてその可能性を探究していた、と、述べるべきだ。そして、それは、草むらにガラス板を置いてその変化を記録するSquareのような傑作を生み出すこともあるし、曲がり角で必ず写真撮影しただけという何というかあんまりよく分からないものもある。
時間を扱うメディアとしての写真、ビデオ、テープの可能性を組み尽くすのに成功しているようには思えないが、失敗しているわけでもない。いくつかは世界レベルの凄さだと感じるが、どこか物足りないとも感じる。
関西文化の日で観覧無料だったので、たくさんいた。テープ作品を見て子どもたちはどう思うのかしら。
こちらも藤原展もちゃんと図録作ってあって、素晴らしい。

2024-11-05

メモ:永冨真梨(責任編集)、大和田俊之(監修)『カントリー・ミュージックの地殻変動──多様な物語り』(河出書房新社、2024年)

を落手しました。ありがとうございます。

「面白そうだけど、カントリーかあ…。苦手なんだよなあ…。」と思いつつ、斜め読みしましたが、これは、読みやすく、しかし、複雑な内容を単純化せずに語っている、良い本でした。インタビューも対談もちょっとした論考もディスクガイドもあって、「カントリー」に色々な方向からアプローチする(ことができると教えてくれる)。

ただし、そんな感じで学術書ではないのだけど、分かりやすさに媚びていないというか。永冨さんらしさを感じました。「永冨の語りは世界の単純化に抵抗するのだ」(『ポピュラー音楽研究』v24 (2020): 109)なあ、と。

ということで、カントリーの可塑性みたいなものを丁寧に探るこの本の趣旨とは反対かもしれないけど、とりあえず、Apple Musicの「カントリー」のプレイリストをライブラリに追加しておきました。今のところ、個人的な人生の記憶に関わるということもあり、《Take Me Home, Country Roads (Original Version)》だけが頭に残っています。

大和田さんのハリー・スミス本も楽しみですね。僕ももっと頑張るぞ。

2024-10-29

メモ:ネットフリックスで『極悪女王』

を見た。昭和の貧乏なお家の様子が懐かしく、面白く見た。プロレスには全く興味がなかったし今後もないと思うけど、最後の第5話でダンプ松本の引退試合の展開を見て、「ああ、なるほど、これは歴史改変系の物語なんだな(タランティーノの『イングロリアス・バスターズ』とか『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』みたいに)」と思って見て、それはそれでスッキリとした気持ちで楽しんだ。

で、見終えてからダンプ松本の動画を探してみたら、本当にあったことだったことを知って、ちょービックリ。あと、髪切りデスマッチの試合描写もあんまり誇張して描いていたわけではなかったっぽいことに、ビックリ。

涙・感動!極悪女王Netfllix公開記念 極悪女王ダンプ松本引退試合 全日本女子プロレス栄光の日 #ダンプ松本#極悪女王#ネトフリ極悪プロレス#極悪同盟 引退試合全日本女子プロレス公式 - YouTube https://www.youtube.com/watch?v=CcINtl02_38

2024-10-17

まとめ:「新しい楽器」:簡易版

半年ほど前に書いたものをまとめておきます。

単著『サウンド・アートとは何か 音と耳に関わる現代アートの四つの系譜』(ナカニシヤ、2023年)の宣伝を兼ねてはじめた「新しい楽器」という読み物です。togetterのまとめをリンクしておきます。2023年11月から2024年3月まで投稿していました。

「楽器」という言葉を広げよう、と思って書きました。また、旧twitter(現X)の連続ポストで、各ポストにできるだけリンクを含めるという形式の読み物を作ろう、と思って書きました。また、色々寄り道した読み物を作成してみよう、と思って書きました。

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新しい楽器:1.はじめのあいさつ - Togetter https://togetter.com/li/2258001

新しい楽器:2.吉村弘のサウンド・チューブについて - Togetter https://togetter.com/li/2258002

新しい楽器:3.ルッソロのイントナルモーリ - Togetter https://togetter.com/li/2258005

新しい楽器:4.ケージのプリペアド・ピアノ - Togetter https://togetter.com/li/2258006

新しい楽器:5.扇風機 - Togetter https://togetter.com/li/2259021

新しい楽器:6.鈴木昭男さんのアナラポス - Togetter https://togetter.com/li/2260031

新しい楽器:7.テルミン - Togetter https://togetter.com/li/2261924

新しい楽器:8.バシェの音響彫刻とジョー・ジョーンズの創作楽器 - Togetter https://togetter.com/li/2264159

新しい楽器:9.洗濯板 - Togetter https://togetter.com/li/2266417

新しい楽器:10.イントナルモーリの復元について - Togetter https://togetter.com/li/2268833

新しい楽器:11.ハリー・パーチの楽器 - Togetter https://togetter.com/li/2272011

新しい楽器:12.タワシ - Togetter https://togetter.com/li/2274842

新しい楽器:13.レコード:ミラン・ニザのBroken Music - Togetter https://togetter.com/li/2277702

新しい楽器:14.椅子 - Togetter https://togetter.com/li/2280325

新しい楽器:15.箱 - Togetter https://togetter.com/li/2282954

新しい楽器:16.ヴァイオリン - Togetter https://togetter.com/li/2293149

新しい楽器:17.ドラムセット - Togetter https://togetter.com/li/2297448

新しい楽器:18.クリスチャン・マークレー《Drumkit》(1999) - Togetter https://togetter.com/li/2301692

新しい楽器:19.メトロノーム - Togetter https://togetter.com/li/2306777

新しい楽器:20.エオリアン・ハープ - Togetter https://togetter.com/li/2311011

新しい楽器:21.共有玩具、共遊楽器 - Togetter https://togetter.com/li/2317886

新しい楽器:22.磁気テープ - Togetter https://togetter.com/li/2322200

新しい楽器:23.子どものための楽器、創造的音楽学習、こどもの城 - Togetter https://togetter.com/li/2326617

新しい楽器:24.枯葉 - Togetter https://togetter.com/li/2330689

新しい楽器:25.分子の音と細胞の音 - Togetter https://togetter.com/li/2334561

新しい楽器:26.本 - Togetter https://togetter.com/li/2338621

タグ:サウンド・アート サウンドアート アヴァンギャルド 音響芸術 実験音楽 サウンド・インスタレーション 音響彫刻 サウンド・スカルプチュア メディア・アート 現代アート

まとめ:「新しい楽器」:詳細版

半年ほど前に書いたものをまとめておきます。

単著『サウンド・アートとは何か 音と耳に関わる現代アートの四つの系譜』(ナカニシヤ、2023年)の宣伝を兼ねてはじめた「新しい楽器」という読み物です。togetterのまとめをリンクしておきます。2023年11月から2024年3月まで投稿していました。

「楽器」という言葉を広げよう、と思って書きました。また、旧twitter(現X)の連続ポストで、各ポストにできるだけリンクを含めるという形式の読み物を作ろう、と思って書きました。また、色々寄り道した読み物を作成してみよう、と思って書きました。

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新しい楽器:1.はじめのあいさつ - Togetter https://togetter.com/li/2258001

新しい楽器:2.吉村弘のサウンド・チューブについて - Togetter https://togetter.com/li/2258002

新しい楽器:3.ルッソロのイントナルモーリ - Togetter https://togetter.com/li/2258005

新しい楽器:4.ケージのプリペアド・ピアノ - Togetter https://togetter.com/li/2258006

新しい楽器:5.扇風機 - Togetter https://togetter.com/li/2259021

新しい楽器:6.鈴木昭男さんのアナラポス - Togetter https://togetter.com/li/2260031

新しい楽器:7.テルミン - Togetter https://togetter.com/li/2261924

新しい楽器:8.バシェの音響彫刻とジョー・ジョーンズの創作楽器 - Togetter https://togetter.com/li/2264159

新しい楽器:9.洗濯板 - Togetter https://togetter.com/li/2266417

新しい楽器:10.イントナルモーリの復元について - Togetter https://togetter.com/li/2268833

新しい楽器:11.ハリー・パーチの楽器 - Togetter https://togetter.com/li/2272011

新しい楽器:12.タワシ - Togetter https://togetter.com/li/2274842

新しい楽器:13.レコード:ミラン・ニザのBroken Music - Togetter https://togetter.com/li/2277702

新しい楽器:14.椅子 - Togetter https://togetter.com/li/2280325

新しい楽器:15.箱 - Togetter https://togetter.com/li/2282954

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新しい楽器:17.ドラムセット - Togetter https://togetter.com/li/2297448

新しい楽器:18.クリスチャン・マークレー《Drumkit》(1999) - Togetter https://togetter.com/li/2301692

新しい楽器:19.メトロノーム - Togetter https://togetter.com/li/2306777

新しい楽器:20.エオリアン・ハープ - Togetter https://togetter.com/li/2311011

新しい楽器:21.共有玩具、共遊楽器 - Togetter https://togetter.com/li/2317886

新しい楽器:22.磁気テープ - Togetter https://togetter.com/li/2322200

新しい楽器:23.子どものための楽器、創造的音楽学習、こどもの城 - Togetter https://togetter.com/li/2326617

新しい楽器:24.枯葉 - Togetter https://togetter.com/li/2330689

新しい楽器:25.分子の音と細胞の音 - Togetter https://togetter.com/li/2334561

新しい楽器:26.本 - Togetter https://togetter.com/li/2338621

タグ:サウンド・アート サウンドアート アヴァンギャルド 音響芸術 実験音楽 サウンド・インスタレーション 音響彫刻 サウンド・スカルプチュア メディア・アート 現代アート

2024-09-24

『昭和文学研究』の座談会、公開

今年の3月に『昭和文学研究』で刊行された座談会が、J-STAGEで公開されました。どうぞご笑覧ください。
福田貴成・中川克志・疋田雅章・広瀬正浩(司会) 2024 「座談会 「音」と文学――文学研究とサウンド・スタディーズとの対話――」 『昭和文学研究』88:2-23。

2024-09-17

メモ:ポール.J・シルヴィア『できる研究者の論文作成メソッド』

 

三年前に読んで衝撃を受けたポール.J・シルヴィア『できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか』の続編、『できる研究者の論文作成メソッド』を読む。

ここまで論文作成の具体的プロセスが実践的に説明されると、「IF係数の高い雑誌に掲載する論文作成」が至上命題になっていない領域の研究者(≒人文学の研究者)には、参考にならないことが多い。でも、この本も勇気づけられる本だった。

共著論文というのは人文系はあまり多くないが、僕は今、編著を作成しているので、色々と学ぶアドバイスは多かった。共著作成時にはメールを使うべきではない、と断言できるのは、羨ましい。原著は2015年出版で翻訳は2016年出版だが、僕の周りではいまだにメールしか使わない人も多い。書籍の分担執筆や百科事典項目や書評は「やめておいた方がよい執筆」(227-)だというのは、分野が違うから、だろうか。「本」は研究成果発表の場所としてまだ大切な気がする。(でも、そういや、ここ数年でものすごく増えてきた無茶苦茶ページ数の多いhandbookの類は、こういう「やめておいた方がよい執筆」なのかもしれない。あるいは、若手研究者のとりあえずの発表場所、みたいな感じもするが。)

書く理由は色々ある:「学ぶために書く」、自分の考えを発見するための方策として書く、という人もいる(4)

インパクトのある論文を書くとは「その分野で交わされる会話の内容に変化をもたらそうと努力をすること」(8)

経験を積んだ研究者であれば、投稿前の段階で再投稿の計画を立てている。(29)

学習をめぐって、僕が頭の中で考えているモデルは、情報化地合いの教員としては少々風変わりかもしれない。そう、本を読むべし。(31)

ライティングの本を読むことについて:年に一冊以上は読むこと(39)

共著について:書きかけの断片についてフィードバックを求めないこと、電子メールで行わないこと、一人が下書きを全て書いてみること、コメントはオプトイン制にすること(締め切りを設定して締め切りまで返信がなければ承諾したとみなすこと)

うまくいかない時は、「最初のステップは、金輪際、厄介な研究者と一緒に共著論文を書いたりしないと誓うこと」「原稿の完成に向けて粘り強い督促作業を開始」すること、「厄介な共著者に降りてもらうよう打診すること」など

「研究者たるもの、作品一本ではなく、一連の作品群の展開を目指すべきだ」(217)

「書き終えたばかりの論文がとんでもない難産で、論文など金輪際書けそうにないという気分でいるとしても、とりあえず落ち着こう。大丈夫、書ける。」(232)

「僕らは、自分の自由になる部分などほとんどないという事態を受け入れたうえで、自分の自由になる部分、つまり自分自身の行動という部分をコントロールする必要がある。執筆にあてる時間帯を選択し、その時間が来たら机に向かって執筆を開始し、その時間が終わったら執筆をやめる。執筆をスケジュールに組み込むことは、「文章をたくさん書く人が、どうやって文章をたくさん書いているか」そのものだ。」(233)

「まずは試してみよう。週4-6時間を執筆に充てるところから始めるのがよいと思う。」(233)


「推薦の言葉」より

「ものごとをロジカルに考える習慣が身についているはずの研究者なのに、彼ら彼女らの多くが「塵も積もれば山となる」をいまだに実感していないのは驚くべきことである。」(iv)


参考:

I am alive.: メモ:ポール.J・シルヴィア『できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか』 https://after34.blogspot.com/2021/07/j.html


2024-09-03

研究会のお知らせ: ベンジャミン・ピケット「トランスーション:ヘンリー・カウ、ロック、インプロヴィゼンーション、実験音楽、サウンドアートの発展史 」

240906付記:

(*写真は一番無難そうなのを選んだつもりですが、何か問題あればすぐ削除しますので、どうぞお知らせください。)

当日は盛況に終わりました。そういや、こういう特別講義のイベントのレポートって、どんな形で残せば良いのだろう。芸大の優秀なスタッフのおかげで映像記録はあるのだけど、テキストで残すことを考えていなかった…! でもまあ、講演用原稿とかは公開するものじゃないし、こういう講演があったことそれ自体が今後につながるのだ、と考えておけば良いのかもしれない。

Benjamin Piekutさんのお話は、前半はHenry Cowの話で、後半は最近行なっているsound art研究の話ですた。前半で、rockの実践において焦点がthe soundに変わっていったという話が印象深く、後半は、最近行なっているsound art研究におけるpractices, concepts, categoriesの話(とJing Wang, Half Sound, Half Philosophyの話)が面白かったです。来場者のほとんどはHenry Cowに関心があったのだと思うけど、僕は、sound art研究のアプローチの仕方に感心しました。あと、僕のサウンド・アート研究のアプローチをやたら褒めてくれていて、大変気分が良かったです。Benさんのsound art研究、きっちり論文化されることを期待。2,3年以内に書くみたいなことを言っていたので、期待!

特別講義の後、講義のあった階の上階で20人ほどでアフターパーティーがありました。色々なタイプの人と話して面白かったです。最後、(講演で出てきたHenry CowのDelugeではなく)Talking HeadsのPsycho Killerで、みんな踊ってた(Henry CowのTim Hodgkinsonさんも)ことをご報告しておきます。

とりあえず、作ったけど半分以上見せなかったので、せっかくなので、中川の5分トークスライド(実際は10分ほど話してしまった)を公開しておきます(これは別に秘匿しておくべきというほどのものではないので):中川_5_minutes_talk_at_Benさんイベント_ver1_240830.pdf

これだけ見てもよく分からないと思うけど、まあ、「お焚き上げ」ってやつです。)
(この文章を書いていて初めて気づいたけど、「トランスーション」となっている! 8月後半の準備中からさっきまで、全く気づいていなかった!!! せっかくなので、このままにしておこう。)


定員に達したので締め切りました(8月18日)。ご予約いただいた方、ありがとうございました。ストリーミング配信などは検討中の未定です。


研究会のお知らせです。

来月9月3日(火)に東京芸大上野キャンパスで、『ヘンリーカウ:世界とは問題である』(月曜社刊、2023年)の著者ベンジャミン・ピケット氏(コーネル大学音楽学部教授)による特別講義が行われます。1960年代以降の様々な音楽文化(ヘンリー・カウ、ロック、インプロヴィゼンーション、実験音楽、サウンドアートなど)の流動的諸関係についてお話ししていただけると思います(中川の予想です)。
逐次通訳あり。興味のある方はどなたでも参加できます。ぜひお越しください。定員40名なので事前登録が必要です。詳細はリンク先をご覧ください。

特別講義: ベンジャミン・ピケット「トランスーション:ヘンリー・カウ、ロック、インプロヴィゼンーション、実験音楽、サウンドアートの発展史 」 | 東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻 http://ga.geidai.ac.jp/2024/08/13/benjamin-piekut/



ピケット氏は1960年代以降のいわば音楽文化のエコシステム全体を研究している人です。日本ではもちろん『ヘンリーカウ:世界とは問題である』の著者として知られていますが、最初の著書ではいわゆるケージ的な実験音楽周辺の諸々を扱ったり、ジョージ・E・ルイスとともに即興演奏に関する論文集を編集したり、なぜか、Henry Flyntのインタビュー動画が蓄積されているYouTubeチャンネルを持っていたりします。その関心の一環として、近年ピケット氏はsound art(というコンセプトの出現した経緯)を調査しています。その点で中川と、「概念あるいはタームとしてのサウンド・アート」に対する関心を共有しているわけです。
講義には他にも、横川理彦さん(音楽家、After Dinnerなどに参加)も登壇されます。
よろしくお願いします。

参考:Special Talk: Professor Benjamin Piekut | 東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻 http://ga.geidai.ac.jp/en/2024/08/13/benjamin-piekut/