初音ミクがいつごろ登場して、どのような経緯でムーブメントになっていったか、を辿るものだった。
僕は初音ミクの「歌声」に魅力を感じたことがないので、なんつうか勉強になった。
羽田から関空に着くまでに読んでしまった。他にもっと勉強本を持ってきたら良かった。
この本の最大の魅力は、ポジティヴなことだと思う。
初音ミクがサードサマーオブラブだ云々と言われても、いや別に初音ミクだけが世界を席巻したわけでもないし初音ミクに流れ込んだとされる文化事象がかなり狭いしなんとも縦糸も横糸も不足しているように感じてしまうなあ、とも思うのだけど、新しいテクノロジーが新しくて面白い音楽や文化を作り出した、という興奮を実感してきたひとが記述していること、それが僕にとってのこの本の魅力だ。
確かに縦糸も横糸も不足していると思うしーーとくに横糸、つまり、同時代の比較対象が少な過ぎるのではないか。これではまるで21世紀には初音ミクしかいないみたいではないかーー、できれば、初音ミクの歌声を使う音楽の魅力を分かりやすく分析して欲しかったけどーー正直、面白いと思ったことがない。無駄な音が多くて隙間がないし、どんな音が鳴っているか聴き分けにくいし、何言ってるか分からないし。ぜんぜんセクシーじゃないーー、「新しいことがある」という興奮やその面白さをうまく伝えるのは難しいだろう。
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9,10章が権威主義的だったなあ。
じゃぱんあずなんばーわん、みたいなことを言った後、おフランスで初音ミクのオペラを上演したのですげえ、みたいなことを書いていたけど、不要だと思う。
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