2018年10月23日火曜日

メモ:田中克彦『ことばと国家』(岩波新書、1981年)

大友良英『学校で教えてくれない音楽』の後書きで、なんとなく唐突にこの新書のことに触れていたのに興味をひかれ、読んだ。「言語学」という学問領域のエッセンスを簡潔にとりだす文章だった。
〈ラテン語とヨーロッパ諸言語との関係(近代化のなかで、ヨーロッパ諸言語は自らの理論的優位さを誇示した)〉は〈漢文と俗語としての日本語との関係(近代文章作法などで、日本語よりも漢文の理論的優位さが主張されることが多い)〉とは逆である、とか。「国語」というのがあくまでも近代国家成立以後の言語観の産物だ、とか。言われてみれば当たり前なのだけど、あんまり考えたことがなかった考え方が多く、新鮮だった。40年近く前の本だし、僕が不勉強なのだろうけど。
言語学がもつ歴史的社会的視野の広さを教えてくれる本だった。自分の専門分野に熟達するとはこういうことなのだろう。


(この本における「言語学」に相当するような僕の「専門分野」って何だろう。)

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