2021-08-28

メモ:Kindle Unlimitedで朱野帰子『超聴覚者 七川小春 真実への潜入』(講談社文庫)

〈遺伝子治療によって聴覚が異常に発達した〉 という設定にひっかかって読み始めたけど、この設定自体は、たいして活用されていなかった。

のだが、主人公や脇役たちによる〈正社員登用に対する渇望〉〈正社員の給料の低さ〉〈年金世代に対する不公平感〉などの描写が、けっこう長く、氷河期世代として(僕自身は給料もらえるけっこうな身分になれたとはいえ)身に沁みて、そこが面白くて、読んでしまった。

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超聴覚者 七川小春 真実への潜入 (講談社文庫)

超聴覚者 七川小春 真実への潜入 (講談社文庫)

by 朱野帰子

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九歳の時に受けた遺伝子治療によって聴覚が異常に発達した小春は、勤めていたブラック企業の過酷さに耐えきれず辞職した。再就職が困難を極める中、寿命遺伝子治療薬発売を予定する巨大企業の事業部長から、正社員になる条件として発売阻止を目論む子会社への潜入を持ちかけられる。『真実への盗聴』改題。

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