2022-12-04

メモ:「すべて未知の世界へ ― GUTAI 分化と統合」@国⽴国際美術館と⼤阪中之島美術館

2022年10⽉22⽇(⼟)– 2023年1⽉9⽇(⽉・祝)

すべて未知の世界へ ― GUTAI 分化と統合 - イベント|国立国際美術館 

個々の作品で衝撃的に良いというものは、実はなかったけど、でも、総体として、全体的に、かなり良かった。キャンバスから絵の具が盛り上がっているものが多く、みんな、「既存の絵画から抜け出してやるぜ」という気概に溢れているのが、良かった。


「昔は皆元気だった」みたいな感想で申し訳ないが…。記憶に残った作品は…


ヨシダミノル《JUST CURVE '67 Cosmoplastic》

:これや、他の作品では水槽の中にモーターが回っていたが、どういう仕組で音が鳴らされていたのかはよく分からなかった。


吉原通雄《作品》(1965/2022)

:展示会場の壁の上の方から紙テープを何百個も垂らすインスタレーション。こういう作品は「売れない」し、その一回の展示でしか見れないなあ、など。

名坂有子《作品》(1964)

:年輪のようにも見える溝のある円形、をたくさん書いている。意図は知らないが、レコードを描いているようにも見えたので、記憶に残った。

田中敦子《地獄門》(1965-69)

:蛍光灯ドレス(《電気服》(1956/86))の前に置かれていたのだが、でかくて良かった。


松谷武判《WORK 65-E》(1965)

:初めて知った。キャンバスにビニル接着剤を分厚く塗って、少し乾いたらキャンバスの裏から空気を入れて膨らませたり亀裂を入れる、というやり方で制作した絵画。ビニル接着剤が見せる姿態をじっくり観察できる状況は、ビニルを使用する現場以外では、こういう「美術」とか「絵画」とか「展覧会」という文脈しかないだろうなあ、と思うなど。

嶋本昭三《作品》(1954)

:穴の空いたキャンバス。図録では分からない。が、実物を見るとその深遠さが分かる、という代物でもない。


今中クミ子《Swirl. Red and Yellow》(1966)

:図録では二次元イメージに見えるが、これは、こういう金属板をうまくはめ込んだもの。


村上三郎《作品》(1956/81)

Robert Morris, Box with the Sound of Its Own Making, 1961より先に作られたもののようだが、これよりもっと大きい1辺80cmの立方体の木製の箱で、なかには時計が仕込まれていてチクタク音がするし、ときおり「ぼーん、ぼーん」と鳴るらしい。が、音が小さすぎて、最初は僕は気付かず、展示室を出てカタログを眺めていてこの作品に気づいたので戻ったが、隣の部屋の人の声や足音があると聞こえないくらいの音量だったし、「ぼーん、ぼーん」も僕がいる間は鳴らなかった。


村上三郎《空気》(1956/94)

:なかに何も入っていないガラスの立方体

白髪富士子《白い坂》(1955/85)

:ジグザグに二つに割れた板。


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国立国際と大阪中之島美術館との使い分けの理由がよく把握できなかった。中之島美術館には常設展がないらしく、残念。島成園を見れるかと期待していたのだが。

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参考

「具体」といま、新たに出会う。「すべて未知の世界へ ー GUTAI 分化と統合」(大阪中之島美術館+国立国際美術館)レポート|Tokyo Art Beat

解散から半世紀で見つめ直す「具体」。大規模展、大阪の2美術館で共同開催|美術手帖 

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