2026-05-12

DevonThinkへの移行を直前でやめ、Obsidianを「超軽量化」して再構築した記録

このようなことをしてました。

傍らで授業準備と英語論文下書きも進めていたけど。これでうまくいくと良いなあ。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

1. 課題:30GBに膨れ上がったObsidianの限界

長年の研究資料や生活の記録が蓄積され、Obsidianの保管庫(Vault)が約30GBに達していました。

  • 同期の崩壊: iCloud Driveでの同期が極めて遅くなり、iPhoneやiPadでのモバイル利用が実質不可能に。

  • 複雑な階層: 過去のツール(Evernote等)から引き継いだリソースフォルダ(_resources)が多層化し、どこに何があるか把握しきれない状態。

一時は、強力なデータベース機能を持つ DevonThink への移行も検討しましたが、最終的にはObsidianを使い続けるための「外科手術」を決断しました。

2. 施策:Geminiとの共同作業によるPythonスクリプト開発

今回の整理の要(かなめ)は、Gemini(AI)との対話を繰り返しながら自作したPythonスクリプト群です。プログラミングの専門家ではなくても、AIをパートナーにすることで、個人の特殊なデータ構造に最適化したツールを作り上げることができました。

  • 試行錯誤のプロセス: 当初はシンプルな移動コードから始めましたが、実行するたびに「このフォルダの画像が漏れている」「文字コード(NFC/NFD)の差でリンクが切れる」「ファイル名に特殊記号(➡︎など)がある」といった現実の壁にぶつかりました。

  • アジャイルな修正:

    その都度、Geminiにエラー内容やフォルダ構造を伝え、コードを何度も修正・アップデート(v1〜v7まで!)してもらいました。最終的には「Vault内を全探索し、リンクを書き換えながら、実体をGoogleドライブへ追い出す」という、自分の環境に100%特化した「最終統合スクリプト」へと昇華させることができました。

3. 解決策:思考と資料の「ハイブリッド分離運用」

「すべてのデータを同期する」ことを諦め、データの性質に応じて保存先と参照方法を完全に分ける戦略をとりました。

データの種類保存先容量同期・運用方法
思考・テキスト (.md)iCloud Drive150MB爆速で全デバイス同期。iPhoneでも即座に読み書き。
証拠・参照資料 (PDF/画像/ZIP)Googleドライブ約30GBクラウドで安全に保護。メインPCからは絶対パスで参照。

4. 実行した「外科手術」の全容

  1. 全探索スキャン: Vault内の全階層を巡回し、ノートとリソースフォルダの紐付けを解析。

  2. 実体ファイルの追い出し: ノート内に埋め込まれたPDF、画像、音声、ZIP、HEICファイルを、iCloud外(Googleドライブ内のMaterialsフォルダ)へ強制移動。

  3. リンクの書き換え: ノート内の ![[filename.png]] という内部リンクを、file:/// 形式の絶対パスへ一括置換。

  4. 徹底清掃: 重複ファイルの削除、空フォルダの掃除、.trashworkspace などのキャッシュ消去。

5. 結果:30GBから150MBへの劇的な軽量化

  • Vault容量: 30GB → 150MB(約200分の1に圧縮)

  • 同期スピード: 同期待ちのストレスがゼロになり、スマホでの機動力も復活。

  • 資料へのアクセス: メインPCからは、リンクをクリックするだけでGoogleドライブ上の実体資料がパッと開く。

結び:デジタルアーカイブの再起動

「フォルダ構造」という文脈に依存せず、「思考(テキスト)はクラウドに、実体(資料)はアーカイブに」と分けることで、長年のデータ蓄積が「重荷」から「活用可能な資産」へと変わりました。

AIとの対話を通じて、自分の手で自らの研究環境をハックする。このプロセスそのものが、デジタル時代における「資料との向き合い方」を再定義する貴重な経験となりました。

0 件のコメント: