東京国際映画祭「CROSSCUT ASIA」 とやらで、日本語字幕付きで、明日まで無料で『カンボジアの失われたロックンロール[Don't Think I've Forgotten: Cambodia's Lost Rock & Roll]』(2014)を視聴できる。
前半は、元フランス領としてフランス語ロックンロールを受容していたカンボジアのロックンローラーたちの映像や、リバーブの効いたベースやスネアの音がカッコよくて、楽しい。この人はきっとカンボジアの藤圭子なんだろうな、とか思いながら見たりする。
後半、アメリカがベトナムから撤退し、ポル・ポト政権による大量虐殺が行われるあたりで、アタリマエのことながら、とてもつらくなる。
MalaysiaのJoe Kiddがやってる過去のロックンロールのアーカイヴ――The Ricecooker Archives (https://thericecookershop.com/)――みたいなものとは違うタイプのドキュメンタリー。
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1960年代とか70年代のポピュラー音楽について考える時、どの国のポピュラー音楽にとってもベトナム戦争との距離はそれなりに重要で、ベトナム戦争を念頭に置いた反戦歌なんか作られたりするわけだけど、ベトナム戦争のあまりに近くにいたり、ベトナム戦争後に別の戦争が生じた国では、アタリマエのことながら、また別の展開がある、というアタリマエのことを再認識した。
10年か20年後にはきっと、東南アジア諸国は、人口ボーナスの果実のおかげで高度経済成長を遂げて、国内の格差問題なども解消し、面白い音楽とか哲学とか文化とかを世界に向けて送り出すようになるに違いない。
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