2023-02-19

メモ:筒井康隆『残像に口紅を』

面白くて読み耽ってしまった。でも、小説に使う言葉から一音ずつ取っていくという小説が、なぜ、こんなに面白かったのだろう。最後に第三部で、ほとんど何も語れなくなるところに到達した時に読者が感じるカタルシスは、何なんだろう。

そういう小説でないことは承知の上だが、主人公の小説家は御影を仕事場にしているという設定で、ただそれだけで懐かしかった。

帯の「TikTokで超話題」って何のことだろう。そういうことに疎くなった。これが老いなのだろう。そのうち老いさらばえて、本当に老いさらばえて、誰にも何の影響も与えず死んでいくのかもしれない。

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