2022年1月17日月曜日

「鈴木昭男 日向ぼっこの空間 7''レコード付き」とは何か


ちょっとした疑問です。どなたか知っていたら教えて下さい。
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先週末東京都現代美術館のミュージアム・ショップで見つけて、早速確保したのだけど、この7インチレコードは何か?

付属の冊子には、これまで展覧会などでは公開されていたが出版はされてこなかった、《日向ぼっこの空間》(1988)の制作時の写真などがある――見覚えがある写真がある。 土祭2018アーカイブ 日向ぼっこの空間/アーカイブ|鈴木昭男|土祭2021  など? あるいは、特集展示 鈴木昭男 音と場の探究 | 和歌山県立近代美術館 など?――。また、2020年8月にBLOCK HOUSEで伊藤悠さんを聞き手に行われた鈴木昭男さんへのインタビューも収録されている。当日の様子について語られている。

しかし、この7インチレコードは何か、という説明がない――ないよね? もしや、僕のだけ不良品とか…?――。

レコードの盤面には「SIDE A Voice ANALAPOS-a (Echo Instruments ANALAPOS 70) 4'36'' / SIDE B Voice ANALAPOS-a (Echo Instruments ANALAPOS 70) 4'12''」とある。でも、この録音が何か、という説明はない。そして、僕の手元には今レコードプレイヤーがない。

日向ぼっこの空間でアナラポスを演奏した時の録音か??? そういう写真も収められているし。だとしたら、そのようにクレジット記載しておけばよいのに…?

2022年1月13日木曜日

メモ:難波祐子『現代美術キュレーターという仕事』(青弓社、2012年)


現代美術キュレーターという仕事 | 青弓社 https://www.seikyusha.co.jp/bd/isbn/9784787273161/

日本でキュレーターという仕事が活発になり始めたのは1990年代とのこと。自分が比較的近くにいた業界でそんな新しく活発な面白い動きがあったなんて、気付いていなかった。でも、改めて整理されたこういう本を読むと、色々と気づく。ああ、京都芸術センターがああだったのはこういう流れのなかだったからだな、とか、芸術学の研究者がキュレーターしたりするのはこういう流れだったのかたな、とか。

今までまったくなかったが、大阪のギャラリーの方から声をかけてもらったこともあり、僕もキュレーターのようなことをやってみたい、展覧会という形式でなされる活動をこの世の中にもたらしてみたい、という気持ちになっている。

自分から何かイベントごとを仕掛けること。新音響文化研究会でやり続けていることだ、とも言えるのかもしれない。

2022年1月10日月曜日

メモ:チェンソーマン

年末年始のマンガの大人買い。今年はチェンソーマンにした。が、一気読みする時間がなかなか取れず、やっと読み終えた。人物造形とか物語展開の起伏とか、面白かったのだけど、色々と伏線は回収されないままだし、なんだこりゃ、と思う。〈地獄で悪魔が死ぬときにはチェンソーの音を聞いた記憶だけが残っている〉という話は、あれは何だったんだ?とか。

なんか面白かったけど、話の筋はよく分からんかったなあ、と。あるいは、話の筋はよく分からんかったけど、なんか面白かったなあ、と。

夏から第二部連載開始ってあるけど、これ、続けて意味あるの?
https://chainsawman.dog/

2022年1月5日水曜日

バシェ、ティンゲリー、モリス、ベルトイア以外の20世紀後半以降のサウンド・スカルプチュアの先駆者について

20世紀後半以降の音響彫刻の先駆者としては、バシェ、J.ティンゲリー、ロバート・モリス、ハリー・ベルトイアの四人をあげることが多い。しかし、この4人以外にも多くのアーティストが、1950-60年代にすでに音のある視覚美術作品を制作し始めていた。

Alan Licht, Sound Art Revisited. 2019では、1950-60年代に音のある視覚美術作品を制作していたアーティストとして、ステファン・フォン・ヒューン[Stephan von Huene, 1932-2000]、レン・ライ[Len Lye, 1901-1980]、タキス[Takis, 1925-2019]、ピーター・ヴォーゲル[Peter Vogel, 1937-2017](フェアライトCMIの開発者とは別人)、ヴァルター・ギールス[Walter Giers, 1937-2016]といった名前が言及される。それなりにまとまったウェブサイトがそれぞれ作られているので、〈それぞれの全体像〉を知るのは困難ではない。Takisは2019年に亡くなった時にちょうどTateで回顧展をやっていたし、全員、何らかの図録や論文で扱われている。日本語での情報は、ゼロではないが、少ない。

ただし、全員、必ずしも音にフォーカスした活動をずっとしていたわけではないので、〈それぞれの音のある芸術作品〉に関するまとまった情報を知るのは難しい。というか、それぞれ〈活動全体における音のある視覚美術作品の位置と意味〉を考える必要があるので、〈それぞれの音のある芸術作品〉についてだけ知ってもあまり意味はない。

彼らについて、まとまった形で言及されることはないが、少しずつでも良いから、資料を集めて勉強を進めていこう。何か見えてくるだろう。現段階での予想では、思っていたよりずいぶん前から美術館には音が侵入していたと再認識したり、「キネティック・アート」の重要性を再認識したり、するようになるのではないだろうか。

レン・ライ[Len Lyre]について。

この人が1960年代からキネティック・スカルプチュアを制作していたことを見逃していた。UbuWebのツイートで彼の「Composing Motion: The Sound of Tangible Motion Sculpture」という音源を聞いて、面白かった。彼のキネティック・スカルプチュアがガンガン何かに当たるだけの音が録音されていたりするのだが、心地よい。たぶんこういうのかな?

面白かったので、いくつか調べてみた。

レン・ライの実験映像のDVDを見て以来、今までずっと、彼のことは実験映像作家としてしか認識していなかった。オスカー・フィッシンガーとかVエッゲリングみたいな〈音楽に憧れる視覚芸術〉のヴァリエーション、と考えていた。

しかし、確かにLicht 2019でも言及されている。ここではTakisと一緒に、二人で一段落で、言及されていた(今調べてみたら、この本のKindle版では紙版ページ数が表示されず…)。
ニュージーランドで生まれ育ったレン・ライは、ロンドンやニューヨークで活躍したが、作品の多くはニュージーランドにあるらしい。The Govett-Brewster Art Gallery / Len Lye Centreという場所にあるらしい。
Journal of Sonic Studiesに、まさに、レン・ライの彫刻の音を論じた論文があった。このオンライン・ジャーナルは音や画像も論文に埋め込んでいるのだが、chromeだとフォーマットが崩れる。Safariだと大丈夫だったが。ただ、フォーマットが崩れていなくても、このフォーマットは読みにくい。:Wall, Sarah. 2018. “Len Lye’s Kinetic Experiments: Sounds of Sculpture.” Journal of Sonic Studies, no. 16 (August).

2022年1月1日土曜日

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます

本年もよろしくお願いします

2022年は飛躍の時です。

「知らんけど」。



2021年12月28日火曜日

メモ:難波祐子『現代美術キュレーター・ハンドブック』(青弓社、2015年)

現代美術キュレーター・ハンドブック 難波祐子 https://www.amazon.co.jp/dp/B07B4BK8WZ/ref=cm_sw_r_tw_dp_WABJ40H729T7X7KHSXRP

ものすごく具体的なハンドブックだったので、とても面白く読んだ。「展覧会」なるイベントから遠く離れていないけど、その準備の実際的な作業についてはほぼ知らないから、〈ああ、なるほど、へー〉と思いながら読めた。

「経験を積めば、さまざまな検討がある程度つきやすくなるものだが、とにかく最初は一つずつやってみるしかない」(59)。


メモ:Catherine Ceresole: Beauty Lies in the Eye

Catherine Ceresole: Beauty Lies in the Eye   Thurston Moore https://www.amazon.co.jp/dp/3905929430/ref=cm_sw_r_tw_dp_HPVPN35918TTM1F5BNWC 

東京都現代美術館のクリスチャン・マークレー展で、Nadiffで販売されていたクリスチャン・マークレー関連本として購入。この時は「Amazonでも売り切れていたあれやこれやが買えるなんて!」と思っていたが、帰宅してから確認したら、全部Amazonで購入可能になっていた。なんだったんだろう…?

ともあれ、これは〈クリスチャン・マークレーの本〉ではなく、写真家カトリーヌ・セレソールが80年代のNYダウンタウンシーンを撮影した写真集。マークレーのMon Ton Sonなども撮影されている。DNAやソニック・ユースなども。90年代以降の写真もある。

僕は自分の好きな音楽ジャンルを説明する時に「80年代前半のNYのノー・ウェーヴ」というので、ここらへんがまさにぴったりなのだが、写真を見ると、なんだかめんどくさそーだなー、と思ったりもする。これは、狭くて暗いライブハウスやクラブで「変なこと」しようとしていた音楽家たちの写真集。そこにまつわる色々な価値判断の在り方などを想像して、めんどくさそー、と感じるのかもしれない。80年代前半ノー・ウェーヴなら何でも大好き!ではない、ということだと思う。

もちろん〈かっこいー〉とも感じているが。




2021年12月23日木曜日

塩尻かおり『かおりの生態学 葉の香りがつなげる生き物たち』(共立出版、2021年)


龍谷大学の塩尻かおりさんからご恵投いただきました。

塩尻かおり『かおりの生態学 葉の香りがつなげる生き物たち』(共立出版、2021年)

かおりが虫や植物の行動やコミュニケーションにおいてどのような役割を果たしているかを分かりやすく説明した本です。自然科学です。130ページほど。専門的内容を分かりやすく説明しているので、まったくの専門外の僕も、ざらっと短時間でへー、ほー、と言いながら斜め読みしてしまいました。

こういうのをなんと言うのか知らないけど、どうやら「実験生態学」という呼び方があるらしく、研究方法が面白いです。研究室で顕微鏡を覗いて、かおり成分の化学反応を確かめるとかではなく、もっとアウトドアなやり方です。例えば、〈ある植物が匂いに対してどのように反応するかを調べるために、人があまり来ない山中で、その植物の何十体かの枝を切り、そこにナイロン袋をかけて、それを1日後、2日後、7日後…に外す、という実験を行うことで、枝を切られたその植物の隣の枝がどのような反応を示すか〉を調べる、みたいなことをしています。具体的には、車でけっこう遠くの山まで行って、木から枝を取り外して、そして帰ってくる、というのを何日も継続して、やっとデータを得る、という感じです。

美学は五感の研究なので匂いや嗅覚に関する研究もあってしかるべきだけど、現実問題としてはほとんど研究されていないと思いますが、この本は〈自然科学におけるかおりの研究の一事例〉として、人文系の研究者にも分かりやすいです。オススメします。

このひとは僕がカリフォルニアでえらくわちゃわちゃした時にお世話になったひとりなのだけど、フレンドリーなひとなので、UC Davisにいたたくさんの理系のポスドクの人ーーあのひとたち、どうなったんだろうーーと引き合わせてくれたり、この実験にも一度連れて行ってもらったりもしました。袋を被せられた植物の写真、なんとなく見覚えがある。そういえば、僕が帰国する直前に車を貸したら、ちょうどその車が火を吹いて動かくなくなり廃車手続きをしてくれました(廃車手続きも終えてから連絡が来た。怪我なくて良かったよ、ほんと)。

で、久しぶりに連絡があったのです。本が出る、そこには、名前は出てこないけど僕が二箇所に登場する、ということでした。で、なんのことだろう、と思いながら探したのだけど、1つ目は分からなかったけど、2つ目は分かりました。

まず、2つ目の方。

こちらは読んだ途端に思い出しました。そういえば確かに、カリフォルニアからの帰国便で偶然このひとと同じ便で帰国していて、手荷物検査場で会ったことがあった。向こうは何か用事があるみたいだから僕は先に家に帰ろうと思っていたのだけど、手荷物検査されて、追いつかれた。ついでに思い出したのは、そういえば僕は30代になるまで、入国検査のときはどの国でもだいたい検査されてたし、別室に連れて行かれて全身検査されたこともあったなあ、ということです。凶悪そうな顔つきとかではなかったはずなので、たぶんジャンキーとか運び屋とかそういう感じのひとだと怪しまれていたのではないかと思います。30代以降はなくなったなあ。 

1つ目の方は分からなかったのだけど、最初のページに登場していたそうです。

この人は「かおり」という名前なので、「”かおりの生態学”というタイトルで本を書いてみようと思っている」とある友人に言ったところ「ダサい!」と返されたらしく、それが僕だというのです。でも、そんなステキなアイデアに対して僕がそんなこと言うはずないので、それはきっと別人と間違えているのだと思います。

ということで、みなさん、おすすめです。自然科学的なやり方で世界を切り取ると、こんなふうに見えるのだ、とういことがシンプルに提示されています。