久しぶりに夕食前に鼓が寝てしまったので映画を見た。前半はコメディ、後半は切ない(韓国の格差社会がこれでもかこれでもかというほど感じさせられる)。
ちょっと落ち着いて考えると、最後に、地下で死んだはずの「前の家政婦」はどうなったのか、とか、事件の後の現場検証で見つけられなかったはずがないだろう、とか、思う。でも、間違いなく良作。いわゆるひとつの〈現代の寓話〉。さすがポン・ジュノ。
生きてるだけでまるもうけ
久しぶりに夕食前に鼓が寝てしまったので映画を見た。前半はコメディ、後半は切ない(韓国の格差社会がこれでもかこれでもかというほど感じさせられる)。
ちょっと落ち着いて考えると、最後に、地下で死んだはずの「前の家政婦」はどうなったのか、とか、事件の後の現場検証で見つけられなかったはずがないだろう、とか、思う。でも、間違いなく良作。いわゆるひとつの〈現代の寓話〉。さすがポン・ジュノ。
日記より
1200-から横浜美術館「トライアローグ」展に。横浜美術館、愛知県美術館、富山県美術館という、1980年前後のいわゆる「美術館建設ラッシュ」の時期に開館した三つの公立美術館の、西洋近代美術作品所蔵品を使った展覧会。
大江健三郎が「ダンテの生涯や思想をめぐる研究書を読むというのが日常のルーティンをなしていた」のは、そういうこともあるだろうと思うが、そのダンテの著作のみならず、研究書の主題や内容や解釈さえも、小説世界のなかに取り込むことに驚くなど。これが純文学の力か。
台湾に行けなくなったことに適応しようとしていた時期、僕はこのような「物語」を必要としていたのだと思う。ドラマティックに登場人物たちが動き回る物語ではなく、個々の登場人物の内的必然がしっかりと納得される形で少しずつ蓄積されていく過程を描写するこの小説を、毎日少しずつ、とても新鮮な気持ちで読んでいた。
「生きてゆくうえでの危機は、いったん乗り越えてしまえば痛みと同じく思い出すのさえ難しい、したがって自殺ということは決してすすめられない」(593、あとがき)
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2021年4月8日
参考:https://artscape.jp/report/curator/10166466_1634.html