2013年3月26日火曜日

メモ:ニコル・ブルネーズ『映画の前衛とは何か』(現代思潮新社、2012年)

不思議な内容だった。



徹底的にフランス的なものとしての「アヴァンギャルド」について語っていた。WWII以降の現代美術や実験映画への記述がほとんど無し。グリーンバーグへの言及も、たぶん、解題論文の中で段落半分(292)だけ。ブラッケージとかジョナス・メカスとかマヤ・デレンへの言及もほとんど無し(たぶん、ない)。
「社会闘争」とか「階級闘争」とか「ブルジョワジーへの反抗」とかそういうフレーズがいっぱいあったし、「つとにパリを思想と芸術の最新流行のメッカと信じてやまない日本人」(佐古2012:280)とかいうフレーズも出てきたし、この本も解題論文も、50年前に書かれたってんなら分かるけど、どっちも21世紀以降に書かれたものなのだ。

だから不思議だった。

なぜ僕はこの手の文章を読めないのだろう。ボードレールとマラルメを知らずに芸術について語ってはいけないのかもしれない。


著者は20年近くパリ第一大学などで映画学を講じてきた映画研究者だが。これが、著者の出版物の中でも理論的な内容の本だったからかもしれない(他に具体的な作家を取り上げたものも出しているようだ)。

解題論文を書いた佐古節子さんって何者なんだろう? 素人の文章ではないけど、学者とか研究者ではなさそうな。

ニコル・ブルネーズ(Nicole Brenez) 2012(2006) 『映画の前衛とは何か』 須藤健太郎(訳) 東京:現代思潮新社。
佐古節子 2012 「解題 アヴァンギャルドとは何か、何だったのか」 ニコル2012:255-352。

映画の前衛とは何か
ニコル・ブルネーズ 須藤 健太郎
4329004844

0 件のコメント: