よく言えば良くできた学生映画、でも映画と音楽の両方に不誠実だと思う。
映像(構図とかカット割り)は良くできてるのだろうけど、テーマとか物語がかったる過ぎる。なんだ、この話、世界には中学二年生しかいないとでも思ってるのか? あらすじを読まないと物語の筋が分からないし。
あと、ノイズ・ミュージック(あるいは「音楽」)をバカにしてるようにしか見えない。
物語がまったく進まないまま、主人公らしき二人は「いろいろな音」を集めたり「ノイズ・ミュージック」を演奏したりしてるのだけど、その描写―洗濯物干しと洗濯ばさみでカラカラ音を出したり扇風機にホースを散りつけて回して音を出したり、ライブハウスみたいな所で演奏していたり―を見ながら、ついつい僕は「ださっ」と言ってしまったのであった。
(誰に対してかはともかく)大変申し訳無い。
なので、まだ寝るには早いし、30分ほど見たところで感想を書き始めた。
「何かを難しげに見せることでそれが高尚なものであるかのように思わせようとする様子」を「衒学的」というと思うけど(だよね?)、それをアートに対して行うと、それは「すのっぶ」と言うだろう、たぶん(という感じの美的考察―あるいは美学的考察―を展開してみようかとも思ったが面倒なのでやめておく)。
ともあれ、この映画を「現代アート」とか「ゲンダイオンガク」とか「ノイズ・ミュージック」とかいうジャンル名で理解しようというのは、「現代アート」とか「ゲンダイオンガク」とか「ノイズ・ミュージック」に対して失礼だと思う。
↓
今のところ(洗濯物片づけたりしていたら70分たった)心に引っかかった場面は、どこかのバーのBGMでギャヴィン・ブライアーズの《Jesus' Blood Never Failed Me Yet》(1971)がかかっていた場面。
はっ!とした。
どんなに眠たい映画でもブライアーズが一節流れるだけで、画面には緊張感や期待感が生まれる。そこには何かあって今にも何かが生まれるんじゃないか、という気にさせてくれる。
つまり、この映画は、ブライアーズの素晴らしさを再認識させてくれるという点でオススメです!
イエスの血は決して私を見捨てたことはない
リースマン(マイケル) ギャビン・ブライアーズ マイケル・リーズマン・コーラス
↓
そうこうしているうちに、最後のクライマックスの場面、「浅野忠信が北海道の草原の中で、自殺ウィルスに感染した宮崎あおいの生命を何とかするために、エレキギターでノイズ・ミュージックを演奏する」場面がやってきた。
この圧倒的なダサさはなんだろう?
「コードとかリズムとかじゃないギターを演奏したらそれだけで自由になれるとかいうふざけたお話」をそのまま映像化しているようにしか見えないのだが、もしほんとにそんなことしてるのだとすれば、そりゃあ世界中のみんなが中学二年生なら許されるかもしれないけど、世界人口はそんなに偏っているわけではないから許されるわけはないし、ノイズ・ミュージックってのは陳腐さと葛藤する様子こそが面白いと僕は思うのだが、それはまあともかく、僕にはなぜこういうことになっているのか理解できない。
僕はこの映像の奥深くに込められているもっと深遠なメッセージを見逃しているのだろうか? 誰か教えてくれないか?
追記:
僕は、宮崎あおいが出ている他の映画は『ソラニン』を見たことがあると思う(他にも見たかもしれないけど覚えていない)。
だから僕は宮崎あおいのことを「アレな感じの音楽映画に出ている人」として記憶することになりそうだ(『おおかみこどもの雨と雪』の声優としてではなく。)。
エリ・エリ・レマ・サバクタニ - Wikipedia
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青山真治
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映像(構図とかカット割り)は良くできてるのだろうけど、テーマとか物語がかったる過ぎる。なんだ、この話、世界には中学二年生しかいないとでも思ってるのか? あらすじを読まないと物語の筋が分からないし。
あと、ノイズ・ミュージック(あるいは「音楽」)をバカにしてるようにしか見えない。
物語がまったく進まないまま、主人公らしき二人は「いろいろな音」を集めたり「ノイズ・ミュージック」を演奏したりしてるのだけど、その描写―洗濯物干しと洗濯ばさみでカラカラ音を出したり扇風機にホースを散りつけて回して音を出したり、ライブハウスみたいな所で演奏していたり―を見ながら、ついつい僕は「ださっ」と言ってしまったのであった。
(誰に対してかはともかく)大変申し訳無い。
なので、まだ寝るには早いし、30分ほど見たところで感想を書き始めた。
この映画のことは去年か一昨年の学生のレポートで知ったのだけど、浅野忠信とか宮崎あおいとか中原昌也とか筒井康隆とか話題にならないはずがない配役なのに今まで僕のアンテナに引っかかってこなかったワケが分かった。
ともあれ、この映画を「現代アート」とか「ゲンダイオンガク」とか「ノイズ・ミュージック」とかいうジャンル名で理解しようというのは、「現代アート」とか「ゲンダイオンガク」とか「ノイズ・ミュージック」に対して失礼だと思う。
↓
今のところ(洗濯物片づけたりしていたら70分たった)心に引っかかった場面は、どこかのバーのBGMでギャヴィン・ブライアーズの《Jesus' Blood Never Failed Me Yet》(1971)がかかっていた場面。
はっ!とした。
どんなに眠たい映画でもブライアーズが一節流れるだけで、画面には緊張感や期待感が生まれる。そこには何かあって今にも何かが生まれるんじゃないか、という気にさせてくれる。
つまり、この映画は、ブライアーズの素晴らしさを再認識させてくれるという点でオススメです!
イエスの血は決して私を見捨てたことはない
リースマン(マイケル) ギャビン・ブライアーズ マイケル・リーズマン・コーラス
↓
そうこうしているうちに、最後のクライマックスの場面、「浅野忠信が北海道の草原の中で、自殺ウィルスに感染した宮崎あおいの生命を何とかするために、エレキギターでノイズ・ミュージックを演奏する」場面がやってきた。
この圧倒的なダサさはなんだろう?
「コードとかリズムとかじゃないギターを演奏したらそれだけで自由になれるとかいうふざけたお話」をそのまま映像化しているようにしか見えないのだが、もしほんとにそんなことしてるのだとすれば、そりゃあ世界中のみんなが中学二年生なら許されるかもしれないけど、世界人口はそんなに偏っているわけではないから許されるわけはないし、ノイズ・ミュージックってのは陳腐さと葛藤する様子こそが面白いと僕は思うのだが、それはまあともかく、僕にはなぜこういうことになっているのか理解できない。
僕はこの映像の奥深くに込められているもっと深遠なメッセージを見逃しているのだろうか? 誰か教えてくれないか?
追記:
僕は、宮崎あおいが出ている他の映画は『ソラニン』を見たことがあると思う(他にも見たかもしれないけど覚えていない)。
だから僕は宮崎あおいのことを「アレな感じの音楽映画に出ている人」として記憶することになりそうだ(『おおかみこどもの雨と雪』の声優としてではなく。)。
エリ・エリ・レマ・サバクタニ - Wikipedia
青山真治
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