昨日、両国門天ホールというところのオープニングイベントに行ってきた。
実験音楽のためのシアターとアンサンブル目当てだったのだが、他の出演者の傾向がバラバラに見えたのが、なんだか面白かった。
「ライブハウス」じゃなくても、ああいう、変なことやるひとたちが集まる場所があるんだなあ、と思った。
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[両国門天ホールオープニングイベント週間] もうひとつの月曜日:
3/4(月) 足立智美プロデュース もうひとつの月曜日
出演: 井上郷子、坂田明、竹田賢一、安野太郎、実験音楽とシアターのためのアンサンブルーーーーーーーーー
◯メモ:ゾンビ音楽について
1.
このゾンビ音楽は、まず、発電機のようなものにエンジンをかけて「空気をためる」らしい(発電機ではないのか? なんだ、これ?)。
次に、Macで制御しつつ、リコーダーに空気を送り込み、機械式の指を動かす。
空気を送り込む際、少し漏れているのかもしれない、リコーダーのピッチはけっこう不安定。また、指がリコーダーにあたる音がパーカッシヴ。つまり、決して、メカニズムを駆使した超絶技巧が披露されるわけではない(逆に、あのくらいの音なら、人力の方が「上手く」演奏できるのではないか)。
2.
MCで本人が語るところによると、ゾンビ音楽がゾンビな理由は三つくらいある。
1.アンドロイドというには不完全な出来損ないだから(?)
2.これを作った頃に映画『フランケンシュタイン』を見て、「もっと自分の作ったものに向き合えよ!」と、思ったから(?)
3.これは電気で動いているので、つまり、人間のエネルギーを食って動いているから(?)
以上がMCでの本人の説明だったのだが、よく分からん。
これらは「ゾンビと呼ぶ理由」にはならないと思う。
3.
たぶんこれは「テクノロジーとの距離感が少し変な、インダストリアル・ミュージック」なのだろう。
発電機みたいなもののブウーンというエンジン音から始まるし、ちゃんと吹かれていないリコーダーの不安定なピッチは不穏だし。機械式の指がカチャカチャとリコーダーに当たる「パーカッシヴな音」はこのジャンルの音楽によくある、鉄屑を叩く音みたいなものだ。
ただ、ふつーのインダストリアル・ミュージックが工業製品から音を引き出すことで何かを意味しようとするものだとすれば、これは「工業製品から音を引き出すことで何かを意味しようとすること」を真似ることで、何かを意味しようとしているのかもしれない。つまり、これはメタ・インダストリアル・ミュージックなわけだ。ここでゾンビ扱いされているのは「工業製品を揶揄することに何か批評的な意味があると考える、過去のイタリア未来派的な心性の現在における生き残り=ゾンビ」なのかもしれない!
たぶん!
4.
とはいえあるいは、実はやはりこれは、なんとなく浮かびあがっているユーモアとかテクノロジーを使いこなせていない下手くそさが愛らしいものなのかもしれん。
→
参考:安野太郎のゾンビ音楽「デュエット・オブ・ザ・リビングデッド」 | メディア芸術カレントコンテンツ:by畠中実
実験音楽のためのシアターとアンサンブル目当てだったのだが、他の出演者の傾向がバラバラに見えたのが、なんだか面白かった。
「ライブハウス」じゃなくても、ああいう、変なことやるひとたちが集まる場所があるんだなあ、と思った。
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[両国門天ホールオープニングイベント週間] もうひとつの月曜日:
3/4(月) 足立智美プロデュース もうひとつの月曜日
出演: 井上郷子、坂田明、竹田賢一、安野太郎、実験音楽とシアターのためのアンサンブルーーーーーーーーー
◯メモ:ゾンビ音楽について
1.
このゾンビ音楽は、まず、発電機のようなものにエンジンをかけて「空気をためる」らしい(発電機ではないのか? なんだ、これ?)。
次に、Macで制御しつつ、リコーダーに空気を送り込み、機械式の指を動かす。
空気を送り込む際、少し漏れているのかもしれない、リコーダーのピッチはけっこう不安定。また、指がリコーダーにあたる音がパーカッシヴ。つまり、決して、メカニズムを駆使した超絶技巧が披露されるわけではない(逆に、あのくらいの音なら、人力の方が「上手く」演奏できるのではないか)。
2.
MCで本人が語るところによると、ゾンビ音楽がゾンビな理由は三つくらいある。
1.アンドロイドというには不完全な出来損ないだから(?)
2.これを作った頃に映画『フランケンシュタイン』を見て、「もっと自分の作ったものに向き合えよ!」と、思ったから(?)
3.これは電気で動いているので、つまり、人間のエネルギーを食って動いているから(?)
以上がMCでの本人の説明だったのだが、よく分からん。
これらは「ゾンビと呼ぶ理由」にはならないと思う。
3.
たぶんこれは「テクノロジーとの距離感が少し変な、インダストリアル・ミュージック」なのだろう。
発電機みたいなもののブウーンというエンジン音から始まるし、ちゃんと吹かれていないリコーダーの不安定なピッチは不穏だし。機械式の指がカチャカチャとリコーダーに当たる「パーカッシヴな音」はこのジャンルの音楽によくある、鉄屑を叩く音みたいなものだ。
ただ、ふつーのインダストリアル・ミュージックが工業製品から音を引き出すことで何かを意味しようとするものだとすれば、これは「工業製品から音を引き出すことで何かを意味しようとすること」を真似ることで、何かを意味しようとしているのかもしれない。つまり、これはメタ・インダストリアル・ミュージックなわけだ。ここでゾンビ扱いされているのは「工業製品を揶揄することに何か批評的な意味があると考える、過去のイタリア未来派的な心性の現在における生き残り=ゾンビ」なのかもしれない!
たぶん!
4.
とはいえあるいは、実はやはりこれは、なんとなく浮かびあがっているユーモアとかテクノロジーを使いこなせていない下手くそさが愛らしいものなのかもしれん。
本人は、髪の毛を赤く染めて無精髭も生やしてヤンキーみたいなのだけど、話し方がとても柔らかい。トツトツと誠実そうに話すひとだったし。「トツトツと」という言葉がけっこう似合いそうだった(ほんとはどういう人かは知らないけど)。
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参考:安野太郎のゾンビ音楽「デュエット・オブ・ザ・リビングデッド」 | メディア芸術カレントコンテンツ:by畠中実
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