CBSで働いていたJim Fassettが制作した、鳥の鳴き声を使ったミュジック・コンクレート。
1958年か60年のもの。
鳥の鳴き声を録音したものを、再生速度を変えたり、重ねたり、スプライスしたりして制作したシンフォニーで、ちゃんと三楽章ある。
ちゃんとシンフォニーになっているかどうか正直よく分からないのだが、ミュジック・コンクレート作品として作られたシンフォニーであって、しかもステレオ録音されているので、膨大な量の手仕事であったことは間違いない。
なんか変な音楽。せっかく鳥の鳴き声を使うのに、なぜこんなにも手数をかけてドレミを作らないといけないのか?
とはいえ、まだあまり録音物を編集するテクノロジーが発展していない時期(てきとーに、ビートルズ以前、ということにしておきたい)のミュジック・コンクレートは、この「変さ」こそが面白い。
「ドレミを出したい」という方向と「鳥の鳴き声そのままを使いたい」という方向の対立を、弁証法的にスマートに解決したりなんかせず、あがきながら力技でまとめようとしているように聞こえるのが面白い。
何回か聞いていると、そういう不恰好さが面白くなる。
ともあれ、「電子音」は「鳥の鳴き声」の類似物として受容され、「鳥の鳴き声」は「電子音」によって新しい側面を再発見されたのだろうことが分かる。
鳥の鳴き声は「電子音に似ている」ことに初めて気付かれたのは、50年代だったのだろうか(20年代じゃなくて)。
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jim fassett
Symphony of the Birds
Jim Fassett
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こういうものもあった。
奇妙な音としての鳥の鳴き声。
Jim Fassett, Strange To Your Ears, 1955
これはamazonのMP3で購入できる(iTunesより安い)。
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Jim Fassett
:space-age musicらしい。電子音と鳥の鳴き声には「宇宙」というlabelも被せられるようだ。
:こういうのはN.Goodmanの記号論で整理できそうな気もするが、僕が関心があるのは、美的なこととか記号論的なことではないので、そういうことをしてもあまり意味はない気もするがどうだろう。
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