おそらく、 《独奏者のための音楽(Music for Solo Performer)》(1965)、《私は部屋の中に座っている(I'm sitting in the Room)》(1969) 、《細長いワイヤーの音楽(Music on a Long Thin Wire)》(1977)の3作が飛び抜けて有名なアルヴィン・ルシエのDVD。冒頭の鉛筆で事物の音を使うパフォーマンス?が、とても素敵。
2011年に撮影された素材で構成されたドキュメンタリーのようで、撮影場所のほとんどが北欧で、最後にウェスリアン大学の映像が少し入る。ルシエが半生を振り返るとか、作家としてのルシエ像に迫るとかではないけど、「自然の音響現象を聴き手に知覚させる」とまとめられるだろうルシエの作品の特徴――"make it available to people to hear"というフレーズや、最後のルシエの"no ideas but in things"という言い方が象徴的――がよく分かる見せ方で、面白かった。《朽人に寄り添う鳥(Bird and Person Dyning)》(1975)(この邦題、なんか違うのではなかろうか)――
邦題は『事物の中以外に観念なし』(正確だけど、なんかニュアンスが違う気がする。『事物のなかにこそ秘密がある』とか? これはこれで違うか)。
ボーナス映像によると、アルヴィン・ルシエは2031年まで生きるつもりらしいし、墓石には「composer」と書いておいて欲しいそうです。また、自分は「実験音楽家」ではないそうです。
僕はデヴィッド・バーマン(David Behrman)のファンなのだけど、2011年のデヴィッド・バーマンが話している映像を見たところ、とても元気そうだったので、日本に来てくれないものかなあ、と思いました(デヴィッド・バーン(David Byrne)も大好き)。
これ、良いDVDだ。
イマイチ(英語が)よく分からない部分もあったし、日本語版買おうかなあ(→後に「日本語版」なんか無いことに気づきました)。
事物の中以外に観念なし ~ 作曲家アルヴィン・ルシエ (No Ideas But in Things / The composer Alvin Lucier / A film by Viola Rusche & Hauke Harder) [DVD] [輸入盤]
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Generative Music Workshop: Alvin Lucier "Music on a Long Thin Wire" from Generative Music Workshop on Vimeo.
(
これはちょっと違う。
)
☆
《Nothing is Real》(1990)という作品がとてもステキだった。
ピアニストの高橋アキのために作った作品らしく、彼女が、あなたの作品はビートルズの《ストロベリー・フィールズ・フォーエバー》を思い出させる、つまり「nothing is real」というフレーズを思い出させる、と言ったらしく、なのでルシエは、その部分のメロディを使って、ピアノのボディとこのティーポットを使って、everything is realな作品を作ったらしい。
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NO IDEAS BUT IN THINGS - The Composer Alvin Lucier - Nothing is Real
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最初の方で《Sferics》(1981)や電磁波を聞こえるようにしてるんだ云々と説明しているところ、あるいは、《独奏者のための音楽(Music for Solo Performer)》(1965)を作るきっかけがケージをAnn Arborに呼んだ時にケージに言われたからだとか、Edmond Dewanと知り合っていたからだ云々という話は、Douglas Kahnの『Earth Sound Earth Signal: Energies and Earth Magnitude in the Arts』を読んでいたので何のことか分かったけど、読んでなかったら全部初耳のことなので、しばらく分からなかったろうなあ。
Earth Sound Earth Signal: Energies and Earth Magnitude in the Arts
Douglas Kahn
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