2017-04-09

メモ:『サウンド・オブ・ノイズ』(2010)

Music for One Apartment and Six Drummersのひとたちの映画。スウェーデンの映画。


病院、銀行、西洋近代芸術音楽のためのコンサートホールなどで、「日常音」(これを「ノイズ」と呼んでいる)を用いてリズムを刻む音楽家たちのお話。
病院に侵入して無許可で痔の手術直前の患者の体や手術器具を使ったり、銀行を襲撃してシュレッダーに現金を入れたり銀行員を窓に押して発せられる日常音を使って、リズムを作る。
そういう「ハプニング――《music for one city and six drummers》というタイトルの作品で、図形楽譜もある――」がいくつか行われ、そいつら(6人のドラマー)をある警察官(音楽一家のなかで唯一の音痴、みたいな設定)が追いかける、というお話。

このお話が物語として面白いかといえば、別に面白くない。
また、この「ハプニング」がいわゆる「ハプニング」として秀逸に見えるかというと、別に秀逸には見えない(ちなみに、途中で、BrechtのDrip Musicみたいな「イベント」が演じられている。映画では、脚立に登った演者が自分で自分に水をかけていた)。
そもそも、ここで作られる"sound of noise"は、用いられる音源が少し珍しいだけで、音を組織化するやり方は極めてありきたりのフツーの音楽に過ぎない。

なので、これは「音楽映画」としてそんなに面白いわけでもない。
ここで異端視されている「音楽」は、音響的にはフツーの音楽でしかないし、これを「ハプニング」として評価するにもその文脈の提示の仕方が面白くない。映画内の現実においても、映画を見る我々にとっての現実においても、この「ハプニング」をどのように面白がるべきなのか、よく分からない。単に、どうでも良い、って思ってしまう。

のだけど、僕は、ドラマーとして面白かった。
別に凄腕ドラマーが出てくる、とかではないのだけど、まあ、やっぱり、何かリズムを刻めるものがあると刻みたくなるもんね。
(でも、もう長いことドラマーとして演奏してないので、「僕はドラマーとして」とか書くと、恥ずかしいな。しばらく忙しいけど、バンドしたいな。)

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