北朝鮮の音楽に関するポピュラー音楽の研究、とかではなく、音楽を切り口に北朝鮮を理解しようとするノンフィクションあるいはルポ。僕の好物だった。面白かった。
実際問題として、「リアル」にインタビューできた対象はあまりいないので、その意味では物足りないけど、でも、希少な内容であることは間違いない。こんなに近くに、こんなに〈日常生活の隅々まで統制されている政治体制〉があるというのは、たしかに恐怖。たとえ西側諸国にいても、北朝鮮に帰国する予定の人間は、「自由」な気分にーなることはないし、「自由」に感じることが幸せとも限らないのだろう。
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「価値基準」とは別の軸で音楽について考えるための好例であるとして、記憶しておこう。
「たとえプロパガンダ音楽であっても、その歌には、北朝鮮で生きる人たちの息遣い、時代の高揚感があり、歌とともに歩んできた彼らの人生が刻み込まれているだろう。」(あとがきより)
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