世界が終わる日までの映画とだけ聞いていたので、『渚にて』とか初期手塚治虫のようなSF的に終末的な物語かなと思って見始めたのだが、カフカ的不条理の喜劇的側面が良い感じにドライヴしていく映画で、新大阪まであっという間だった。今見直したら、映画紹介にちゃんと「コメディ」と書いてあった。
世界が滅ぶまでの日常における心のひだを細やかに淡々と描くとか、終末に向けて足掻き続ける人間の行動力を活写するとかではなく、惑星が地球に衝突するつという一つの事実が、人類全体(あるいは北米全体あるいは白人全体)が共有するためには、そんな事実なんかは吹き飛ぶほどの煩雑な人間臭いやりとりがあることを描く映画だった。そういう衝撃的な事実を社会全体で受け止めるには、どうやら、大統領が中間選挙を無事に勝ち抜けるほどの権力を維持していなければいけないし、ちょっとした有名人同士のくっついたとか離れたとかのゴシップと同列の扱いをマスメディアで受けることから始めるしかない、というわけだ。地球にぶつかる彗星発見者の1人が、途中でどうでも良くなるという話の流れが、なんかとても良かった。
最近ようやく離れたばかりの関西に一泊二日で強行帰省の行きの新幹線で視聴。ディカプリオにハズレなし。
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