2022-05-30

スクリーンショット

スクリーンショットを撮る方法が分からず困っていた。Chromebookにはスクリーンショットのキーがあるらしいが、Chrome OS FlexのキーボードはインストールするPCで使っているキーボードによって違うので。 
今日見つけたChrome拡張機能で代替できる。 素晴らしいスクリーンショットとスクリーンレコーダー https://chrome.google.com/webstore/detail/awesome-screenshot-and-sc/nlipoenfbbikpbjkfpfillcgkoblgpmj/related
2022年8月5日:最近、何かのキーを押したら拡張機能使わずにスクリーンキャプチャできたのだが、何を押したか分からない…。

2022-05-27

柳沢英輔『フィールド・レコーディング入門』(フィルムアート社、2022年)

柳沢英輔『フィールド・レコーディング入門』ありがとうございました。話題ですね。今後長く読まれていきそうで素晴らしいですね。

中川の専門領域に近いし今学期の授業ですぐさま紹介できそうだったので即読みしました。フィールド・レコーディングとは何であるかを概括的に紹介する、包括的で親しみやすい入門書でした。以下、メモ。
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フィールド・レコーディングと言っても色々な種類のものがある。学術研究のために民族音楽学や文化人類学の領域で行われたり、生物音響学では動物の発する音が研究されたり、音楽作品やサウンド・アート作品を制作するために使われたり、フィールド・レコーディングそのものが創作物となったり、ドキュメンタリー作品としてテレビやラジオのために制作されたり。高価な機材で精密な録音がなされる場合もあれば、iPhoneのマイクで録音されるものもある。この本は、そうしたフィールド・レコーディングなるものを、そもそもフィールド・レコーディングとはどのようなものであるかを整理したうえで、環境音を録音すること、音楽をフィールド・レコーディングする場合、超音波など「聞こえない音」をフィールド・レコーディングする場合、フィールドワークにおいて音をフィールド・レコーディングする場合などに分けてそれぞれの勘所を説明した本。「フィールド・レコーディング」なるものを包括的にきちんと扱った初めての本ではないか。
この本は読みやすい。抽象的な議論はあまりなく、具体的で実際的な言葉で書かれており、時おりパンチラインのように「なるほど!」と思う言葉が直截に登場する。それは著者がフィールド・レコーディングという活動を熟知しているからだろう。
僕ははじめ著者を、研究者であると同時にフィールドレコーディング作品を沢山リリースしている人、として知った。面白そうな人がいるなと思っていて、連絡をとって初めて会って話した時、映像人類学という試みでは人類学的な研究手法として映像記録を残すことが認められているが録音にも同じような可能性(=音響民族誌)がある、といった考え方を教えてもらった。その時は「そうなのかあでもそんなことできるのか?」とか思っていたが、後に、「フィールドレコーディングを主体とする実践的な研究手法としての音響民族誌の方法と課題」 という論文でそういう考え方について詳しく説明されて、なるほどー、と思った。本書はフィールド・レコーディングの可能性をさらに拡大しようとする本なのだといえるだろう。
本書は読みやすく、専門家のみならず、フィールド・レコーディングをやったことはないがやってみたいという人やこういう領域にあまり詳しくない人に読まれる本だ。本書で、著者は最初に、自分は「研究と作品制作を異なる領域の活動として捉えるのではなく、むしろそれらを積極的に混淆させることで他者との協働・対話の場を作りだそうとしたり、研究成果やプロセスを社会と共有しようとしたり、新たな調査・研究手法を開拓しようとしたりしてきたのである。私にとってそのような活動の核となる実践がフィールド・レコーディングである」(15)と述べている。この本は、フィールド・レコーディングが何か意味ある行為として行われる場所や領域を拡大していく本だ。また、フィールド・レコーディングそのものも、学術活動と制作活動とを横断し、演奏者と録音者という境界も横断し、録音対象(=世界、環境、空間)と録音主体という主客のあり方そのものを横断する行為だ。フィールド・レコーディングについて書かれたこの本もフィールド・レコーディングも、色々な領域を横断していくものなのだなあ、と思った。

『UNPOPULAR POP 脱マスメディア時代のポップカルチャー』報告書

佐藤守弘さんから『UNPOPULAR POP』(報告書、2022年)を送っていただきました。

佐藤守弘さんが問題提起し、水田拓郎(aka dj sniff)さんと安田昌弘さんがキュレーションしたオンラインシンポジウムの記録です。こちらで公開されています。 →UNPOPULAR POP – 脱マスメディア時代のポップカルチャー 
こちらオンラインシンポジウムが開催されていたときは、「unpopularなpopは単に下手なpopでしかないのではないか」とか思っていたのですが、今回の報告書に掲載されている佐藤守弘さんの論文が勉強になりました。僕はserious musicとかcontemporary musicがpopular musicになるプロセスに関心があるので、そういうことを考えるのに参考になる。こちら次の発表ですぐさま使いそうな勢いでもあります(いやまあ、次の発表の内容は未定ですが…。どうしよう…)。

書誌情報はどう書くのだろう?
佐藤守弘, 安田昌宏, and sniff(水田拓郎)] [dj, eds. March, 25 2022. UNPOPULAR POP 脱マスメディア時代のポップカルチャー 報告書. 科学研究費基盤研究(A) 研究課題番号19H00517 「脱マスメディア時代のポップカルチャー美学に関する基盤研究」.
とか??

劉美蓮『音楽と戦争のロンド』廣瀬光沙(訳)(集広舎、2022年)

西村正男さん監訳の劉美蓮『音楽と戦争のロンド』廣瀬光沙(訳)(集広舎、2022年)を献本いただきました。ありがとうございます。これは読み応えありそうな。

こちら、作曲家江文也の生涯を克明にたどる本です。江文也といえば、何年か前の朝ドラ『エール』でも知られる(?出てたの?見てないので知らない)台湾出身で、中学生以降は日本で教育を受けた作曲家です。ベルリン開催オリンピックに作曲家として参加し、戦後は日本国籍を失い、中華人民共和国で文革に翻弄されたりしたひとです。映画『珈琲時光』(2004年)は江文也をテーマにしているそうです。

僕は、2019年9月に台北でアーティストの王虹凱(Wang Hon-kai)さんにインタビューした時、江文也をテーマにした作品を準備中と聞いて、この作曲家のことを知りました。 →参考:王虹凱が台湾の音楽家・江文也をテーマにしたレクチャーパフォーマンス上演 - 台北駐日経済文化代表処 Taipei Economic and Cultural Representative Office in Japan 
なので、この読み応えありそうな厚さですが、丹念な記述をぼちぼち読んでいこうと思う本です。資料本として活用します。図書館にも入れておいたので、ぜひ、学生諸君も参考書として活用して欲しい。早く、また台湾に行きたい。

長﨑励朗『偏愛的ポピュラー音楽の知識社会学』(創元社、2021年)と大和田俊之『アメリカ音楽の新しい地図』(筑摩書房、2021年)

昨年度、一年間大学に行っていなかった間に、長﨑励朗『偏愛的ポピュラー音楽の知識社会学』(創元社、2021年)と大和田俊之『アメリカ音楽の新しい地図』(筑摩書房、2021年)とを頂きました。今更ですが、ありがとうございます。どちらもポピュラー音楽研究を考える学生におすすめです。
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長﨑励朗『偏愛的ポピュラー音楽の知識社会学』(創元社、2021年)

第3章は、パンクから三上寛、反知性主義(ホフスタッター)、吉本隆明、遠藤ミチロウ、ジャックス、スーザン・ソンタグ、リチャード・ヘル、町田康、オングへと話がめぐっていました。木屋町のロック・バーでミュージシャンの固有名詞出しながらするとくに結論もないロックのお話に、学問的な色々を応用してみると見え方がすっかり変わる、ということの面白さを堪能できます。
これ、講義で聴けるなら刺激的だろうなあ。大学入学して昔のロックの「伝説」とか「逸話」とか知ったばかりで、そういうことに色々とお話することに目覚めたばかりのような学生に、オススメ。序文でバイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』に関連させて「聴いていない音楽について堂々と語る方法」ということが言われていて、学生のことをよく考えている先生だな、と思いました。
個人的には、今後、自分が授業を組み立てることへのモチベーションを高めるのに使いたいと思います。

大和田俊之『アメリカ音楽の新しい地図』(筑摩書房、2021年)

Webちくまの連載時に読んだものが多いのだけど、まとまるとすげえ本だなあ、と思いました。大和田さんはずっと存在感あるので気づかなかったけど、単著としては10年ぶりになるんですね。編著や共著が多かったということか。
大和田さんの本の面白さを僕が改めて言う必要はない気もするけど、前著『アメリカ音楽史』(講談社選書メチエ、2011年)全章を学生と(何度か)精読し、『ポップ・ミュージックを語る10の視点』(アルテスパブリッシング、2020年)の書評を書いた人間として、この本についても、音楽を語る言葉の在り方になんと気を遣っている書き手なのだろう、と思います。言葉のあり方というか、音楽を取り巻く様々な文脈や事件の束に対して鋭敏だ。個人的には、研究に対するこういう姿勢(あるいは音楽について語る姿勢)は見習いたいところ。また、ポピュラー音楽について卒論書こうと考える学生にはひとつのモデルとしてオススメしたいところです。
とはいえ、研究とか勉強とかではなく、読んで知的に面白がるのが良いような気もします。僕のアメリカ音楽の地図は10数年前で止まっていてほとんど更新されていないのだけど、今の若者はこの本を読んで、この本を超えて、どんどん更新していってもらいたい(そして僕に色々と教えて欲しい)。

2022-05-25

物書堂の辞書の使い方:Chrome Remote Desktopを使う

研究室で、デスクトップにChrome OS Flexを入れて、MacBook Airは授業用PCとして使っている。 Chrome OS Flexでほぼすべてのことをできるようになった。ただし、物書堂の辞書を使えないので、すべての研究仕事を移行するのは無理だった。 なので、研究室では、Chrome Remote Desktopで隣に置いたMBAにアクセスし、物書堂のアプリを使うことにした。 Chrome Remote Desktopで、例えばMBA上でPagesなどを動かすのは実用的ではない。でも、辞書は多少のもたつきは気にならない。 * クリップボードにコピーした言葉をすぐに辞書でひいてくれるわけではないが、デスクトップPCでコピーした言葉は、Chrome Remote Desktopの画面をクリックしたらすぐに、辞書で引いておいくれる。 * クリップボードを共用しておく設定が、Chromebookと少し違うので、注意。 Chrome Remote Desktopのアプリの右上の「︙」から「アプリ情報>アプリの設定」をクリックして設定する。

メモ:神田桂一『台湾対抗文化紀行』

通勤電車の中で、台湾対抗文化紀行を読み終える。バックパッカー旅行で「自分」を見つけ(るきっかけを得)たライターが、台湾にはまって自分に見えた台湾について書いた本。ちょっと前までなら、肌に合わないタイプの文章だった。取材量もものすごく蓄積されたもの、という感じではないし。でも、とにかく台湾にまた行きたい、と思った…。

2022-05-09

Linuxモード

vlcなどをインストールできた! ChromebookでLinuxを使う方法① ターミナルでアプリをインストールする手順 - Chrome通信 https://chromenews.xyz/how-to-use-linux-with-chromebook-install-software-from-terminal/ ↑ 付記: ただし、Linuxアプリを使うのはマシンパワーが必要らしく、アプリが起動するまですごく時間がかかるし、アプリを使っているとしばしばこの2010iMacの電源が落ちる…

2022-05-06

メモ:ヤン・シュヴァンクマイエル『アリス』(1988)と長門洋平「映画にとって「物語世界の音」とはなにか――ヤン・シュヴァンクマイエル『アリス』を例に」

『音と耳から考える』所収の長門洋平「映画にとって「物語世界の音」とはなにか――ヤン・シュヴァンクマイエル『アリス』を例に」を読むために、チェック。

映画の音響区分における最初の手続きを「物語世界/非物語世界」から「同期/非同期」へとシフトさせる、というアイデアを提案する、という論文。題材として『アリス』の冒頭部分が分析されている。

大学院授業で学生と読むのだが、短いし論旨は明快なので、映画にあまり関心のない学生にも読みやすいだろう。

中川

:「同期/非同期」という考え方は、トーキー以前の映画も同レベルで考察可能という点では有望そうな予感がする。ただし、どの程度の発展可能性があるかは少し疑問。「物語世界/非物語世界」では区別しきれない領域があるという指摘は至極もっともだが、そういう区別を厳然と感じてしまうことも確かではないか、と思ってしまうので。今後の長門さんの理論的発展に期待。

:『アリス』は面白かった。物語を進行させるやり方――すべてアリスのモノローグで処理してしまうなど――や、紅茶を入れる映像表現など、いちいち面白かった。
:アマプラは便利。