1.トーキーと音響技術史との接点
1.「映像と音声が同期したもの」を実現したもの
2.後に磁気テープに継承される、音響録音編集のプロトタイプ
3.「電化」(による音量増幅)が実現したもののひとつ
3.「電化」(による音量増幅)が実現したもののひとつ
として重要。
2.Vitaphone
ヴァイタフォンは、Western Electric's Bell Laboratoriesが開発し、ワーナー・ブラザーズが購入した、フィルム映像と録音された音を同期させる、ディスク式のサウンド・システム。いわゆる「トーキー」はヴァイタフォンによって実現された。
1926年の『Don Juan』で初めて使われ(効果音と伴奏音楽が映像と同期)、翌1927年の『The Jazz Singer』で初めて「トーキー映画」のために使われた(歌と、初めてセリフも同期)。翌1928年には全編トーキーの『ニューヨークの灯火(Lights of New York)』が公開された。
3.ディスク式とフィルム式
映像と音声を同期させるシステムは19世紀末から色々と試行されていたし、後に主流となるフィルム式のサウンド・システムも存在していたが、1930年まではディスク式が主流だった(とはいえディスク式が圧倒的に多数派だったわけでもないようで、1930年には200種類のフィルム式サウンド・システムが存在していたらしい)。
フィルム式が主流になるのは1930年代前半で、1936年までに映画館では、ディスク式はフィルム式に移行した。
ディスク式もフィルム式も、ひとりの発明家が生み出したものではなく、アメリカとヨーロッパの複数の地域で複数の人間と企業によって開発されたもの。
これは1929年にフィルム式を説明しているアニメーション
4.参考
D.L. Mortonのこの本の7章が短くまとまっていて良いと思う。映画史の研究として何かあると思うが、知らない。簡潔なものがあれば教えて欲しい。
Morton, Jr., David L. 2004. Sound Recording The Life Story of a Technology. Westport, CT: Greenwood Press.
とくに ch.7 The Talkies: 69-79
Sound Recording: The Life Story of a Technology
David L., Jr. Morton
トーキー - Wikipedia:えらく充実している記述。英語版WikiのSound filmを翻訳したもののようだ。英語版のWikiの典拠はなんだろう。
ヴァイタフォン - Wikipedia:こっちは英語版Vitaphoneの記述にははるかに及ばない。
0 件のコメント:
コメントを投稿