2025-04-07

自分への励みと促しとして、2024年度の仕事と2025年度の予定(願望)の備忘録

 2024年度は「色んな人に会って話をしよう」をできるだけ実践しようとして、それなりに多くの人に会えた。でももっと色んな人に会って話してみたいとも思う。2025年度も継続しよう。

2025年度の目標は、懸念の共著と共訳の出版です。90年代Xebec調査は落とし所を考え始めましたが、もっとずっと調査し続けても良いかもしれない。visual musicとsoundwalkのことを継続的に考えています。次の単著を構想し始めました。

ということで、以下は2024年度にやった仕事のメモです。書誌情報に不備はあります。

2025年度はどんなことをできるかな。

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書いたものなど

書評

中川克志 2024 「[書評] 豊田泰久(語り手)、林田直樹(聞き手)、潮博恵(解説)『コンサートホール×オーケストラ 理想の響きをもとめて』(アルテスパブリッシング、2024年)」 『週間読書人』(2024年6月7日号)
中川克志 2025 「[書評] 庄野進著『聴取の詩学 枠と出来事 庄野進音楽美学論集』(春秋社、2024年)」 週間読書人(2025年3月14日号)
←週間読書人ウェブサイトより、転載許可フォームに入力していない。一ヶ月したら入力して、PDFを公開
転載許可について | 読書人WEB https://dokushojin.net/reprint/

論文

中川克志 2025a 「<研究論文>音楽認識論序説 ジョン・ケージ以降の音と音楽の境界線をめぐって[2/2]」 『常盤台人間文化論叢』11: 107–123。→機関リポジトリへのリンク
---. 2025b 「[依頼論文]音楽と視覚美術:試論 ――三つの契機――」 『関西美学音楽学論叢』第九巻:2-20。 →本文リンク電子ジャーナル - aesthetics-musicology)

翻訳したもの

ジョナサン・スターン+メハク・ソーニー「アクースマティックな問いとデータ化の意志——Otter.ai・低リソースな言語・機会聴取のポリティクス」 中川克志(訳)  『メディウム』5号(2024年12月):163-196。

学会発表

NAKAGAWA Katsushi. 2024. “The comparative study between environmental music in 1980s Japan and Kankyō Ongaku in 2010s Japan.” at IASPM-SEA & IAPMS Joint Conference 2024 (Bansomdejchaopraya Rajabhat University, Bangkok, Thailand), July, 27th, 2024. (English)
NAKAGAWA Katsushi. 2025. “What Happened to Environmental Music in 1980s Japan When it was Reevaluated as Kankyō Ongaku in 2010s Japan?” at. Audible Futures: Media, Ecology, and Art(International Conference on Politics of Sound and Technology 2025) (Hanyang University, Seoul, Korea), March, 29th, 2025. (English)

その他の話したこと

1.

ネットラジオ『毛利嘉孝のアート・リパブリック』に出演(0528の2300-2330,0604−0609タイムフリー)
毛利嘉孝さんのネットラジオ『毛利嘉孝のアート・リパブリック』に出演してお話しさせてもらいました。2024/5/28(火)23:00-23:30にリアルタイム放送、2024/6/4(火)~6/9(日)にタイムフリー放送
I am alive.: ネットラジオ『毛利嘉孝のアート・リパブリック』に出演(0528の2300-2330,0604−0609タイムフリー) https://after34.blogspot.com/2024/05/05282300-233006040609.html

2.

5月31日にKOIAS(神戸雰囲気学研究所)のアート・プロジェクトが開催するシンポジウムに登壇
「レクチャー」

KOIAS アート・プロジェクト「thinking with ears」のパフォーマンス&シンポジウムに登壇。レクチャーを行う。
2024年5月31日(金)1400-1800開催。会場:KIITO(デザイン・クリエイティブセンター神戸)
神戸雰囲気学研究所(KOIAS)のアート・プロジェクトが開催するシンポジウムに登壇。20世紀における都市音響を聴取する諸実践についてレクチャーした。

Events | KOIAS - 神戸雰囲気学研究所 http://www.lit.kobe-u.ac.jp/koias/events/
KOIASアート・プロジェクト#2 sam + katrinem <br>Thinking with the ears 神戸を歩く、神戸を聴く | SCHEDULE | KIITO https://kiito.jp/schedule/rental/articles/68925/

3.横浜関内でトーク

8/22 横浜サウンドスケープトークセッション 〜川崎義博・Marcos Fernandes・岩崎佐和・中川克志・中野圭とともに〜【オンライン視聴あり】 | Facebook https://www.facebook.com/events/1730259184215494/?ti=ls

4.Benjamin Piekutさんイベント

特別講義: ベンジャミン・ピケット「トランスーション:ヘンリー・カウ、ロック、インプロヴィゼンーション、実験音楽、サウンドアートの発展史 」 | 東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻 http://ga.geidai.ac.jp/2024/08/13/benjamin-piekut/

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日時:2024年9月3日(火)18:00-20:00
会場:東京藝術大学上野キャンパス 国際交流棟 4F GA講義室
報告者:ベンジャミン・ピケット(コーネル大学音楽学部教授)
登壇者:横川理彦(音楽家、After Dinnerなどに参加)、中川克志(横浜国立大学准教授)
司会:毛利嘉孝(東京藝術大学教授)
通訳:植田悠
主催:東京藝術大学大学院 国際芸術創造研究科 毛利嘉孝研究室
言語:日本語/英語(逐次通訳あり)
本研究会はJSPS科研費基盤C24K03444「サウンド・アート勃興期における音楽と美術とサウンド・アートの関係性の解明」(研究代表者:中川克志)の助成を受けたものです。
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5.美学会で司会:10月14日一般E-2音楽3で司会

6.JASPM36で司会:11月30日個人発表Bで司会

7.12月16日:トーク@本町文化堂

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【大分類】トークイベント
【項目タイトル】中川克志『サウンド・アートとは何か』出版記念トークイベント
【日時・期間】2024年12月16日
【会場】和歌山市本町文化堂
【説明文】
本学准教授・中川克志の著書『サウンド・アートとは何か』(ナカニシヤ出版、2023年)の刊行を記念し、聞き手に奥村一郎(和歌山県立近代美術館・学芸員)を迎えて、和歌山市の文化的ハブとなりつつある本町文化堂でトークイベントを開催した。音楽ではない音を含む表現に対して使われるこの言葉を4つの領域に分けて概観する中川による講演の後、サウンド・アートのアクチュアリティをめぐりフロアとの活発な議論が行われた。
【添付画像の有/「241216_SAとは何かトークイベント241216_フライヤー_241121制作.jpg」】
【画像のキャプション、コピーライト表記】キャプションは「トークイベント・フライヤー」、コピーライト表記不要
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8.CAP ARTS STUDY 2024(2025年3月19日)で下田さんの聞き手役


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【大分類】公開講座
【項目タイトル】人と場所(神戸)と状況2-1970s~1990s
【日時・期間】2025年3月19日
【会場】Urban Picnic(神戸)
【説明文】
C.A.P.(特定非営利活動法人 芸術と計画会議)主催による全36講座ARTS STUDYの一回に、本学准教授・中川克志が聞き手として参加します(この文章を書いているのは2025年2月7日です)。参加するのは、下田展久(XEBEC元ディレクター)が講師を務める「XEBEC と神戸」(ポートアイランド)の回です。阪神淡路大震災から30年の今年、戦後から50年間の間に神戸の現代アートがいかなる展開を経てきたかを辿る同講座において、サウンド・アートが果たした役割について諸々紐解く予定です。
【添付画像の有無/ファイル名】「250319_ArtsStudy.png」
【画像のキャプション、コピーライト表記】キャプションはお任せします、コピーライト表記は不要
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参考

I am alive.: 自分への励みと促しとして、2024年度の仕事と2025年度の予定(願望)の備忘録 https://after34.blogspot.com/2025/04/20242025.html
I am alive.: 自分への励みと促しとして、2023年度の仕事と2024年度の予定(願望)の備忘録 https://after34.blogspot.com/2024/04/20232024.html
I am alive.: 自分への励みと促しとして、2022年度の仕事と2023年度の予定(願望)の備忘録 https://after34.blogspot.com/2023/04/20222023.html
I am alive.: 自分への励みと促しとして、2021年度の仕事と2022年度の予定(願望)の備忘録 https://after34.blogspot.com/2022/04/20212022.html
I am alive.: 自分への励みと促しとして、2020年度の仕事と2021年度の予定(願望)の備忘録 https://after34.blogspot.com/2021/04/20202021.html
I am alive.: 自分への励みと促しとして、2019年度の仕事と2020年度の予定(願望)の備忘録 https://after34.blogspot.com/2020/07/20192020.html
I am alive.: 自分への励みと促しとして、2018年の仕事と2019年の予定(願望)の備忘録 https://after34.blogspot.com/2018/12/20182019.html

お知らせ:「MIMINOIMI – Ambient / Week – 2025」のDAY2(2025年5月6日(火・祝))にトーク出演します。

MIMINOIMIさん(https://www.miminoimi.me/)からお声がけいただき、都市型アンビエントフェスティバル「MIMINOIMI – Ambient / Week – 2025」第3弾"Sense of Gradation"にトーク出演させていただくことになりました。概要は以下の通り。


イベント名:サウンド・アートにとってアンビエント・ミュージックとは何か 〜環境に向かう音響芸術の系譜〜
日時:2025年5月6日(火・祝)DAY2 Open 16:00 / Start 17:00
会場:PHYSICAL STORE (ORGANIC MUSIC + PLANET BABY, 下井草)(https://organicmusic.jp/
出演者:中川克志(レクチャー、トーク)、Chee Shimizu(トーク、DJ)
チケット代:¥2,000+1drink (https://miminoimi20250506.peatix.com/)

「著書『サウンド・アートとは何か』により、サウンドアート研究を世の中に印象的な形で提示した、音響文化論を専門とする中川克志氏を迎え、レクチャー「サウンド・アートにとってアンビエント・ミュージックとは何か〜環境に向かう音響芸術の系譜〜」を開催します。
サウンド・アートと、ある種の共通点を持つと考えられるアンビエント・ミュージックですが、実際どのような関係性を持っているのかが解説される予定です。また、トークの後には、東京のDJシーンにて特異なポジションで活動を続けるChee Shimizu氏と中川氏との対談が予定されており、最後にChee氏がサウンドアートをテーマにした特別なミュージック・セレクトをお届けします。」
とのことです。
他の日と違って中川の出演回はトーク主体ですが、Chee Shimizuさんのお店でDJもあるようです。
みなさま、どうぞおいでください。


MIMINOIMIさんは、面識はないですが、何度かこの「都市型アンビエントフェスティバルをやっていて、継続できるってすごいな、と思ってました。お声がけいただいて光栄です。毎週ポッドキャストも作ってるし(https://soundcloud.com/miminoimi)、この一週間のお祭り以外にも頻繁にイベントやってるし、すごいな、と。
今回の「MIMINOIMI – Ambient / Week – 2025」は2025年5月5日(月・祝)~11日(日)の期間に開催され、テーマは「Sense of Gradation / グラデーションの感覚」とのこと。そして「本イベントは、音楽のフェスであると共に、音や音楽を起点に未知の感覚を体験したり、新たな思考を育んでいく為の開かれた実験の場です。固定化したカテゴリーや二元論を超え、「グラデーション」に対しての感性を育んでいくことは、個々人が自身の感覚を開き、深い体験を得ていく上で重要な契機になるとMIMINOIMIは考えます」とのこと。企画者も出演者も来場者も一緒になって色々な刺激を感じられる場所を作り出そうとするイベント、に見えています。なので、なんか面白そうだなあ、と。
Chee Simizuさん(https://organicmusic.jp/pages/chee-shimizu)と初めてお会いできるのも楽しみです。実は韓国のAudible Futures(https://mrc.hanyang.ac.kr/audible-futures/)でやった発表でも、少しだけ言及させてもらいました。どうやらこれは、僕は今年こそ(環境音楽/Kankyō Ongaku」だけでなく)「アンビエント・ミュージック」について語るべし、ということなんだろうな、と思っています。まずはこの5月のイベントで、次は8月に台北で、そして来年デンマーク(https://rmc.dk/en/news/ambient-music-conference-2026-call-papers-performances)で。

→中川克志先生/「MIMINOIMI - Ambient / Week - 2025」のDAY2にトーク出演 - Y-GSC https://ygsc-studio.ynu.ac.jp/2025/04/miminoimi-ambient-week-2025day2.html

2025-03-30

メモ:Audible Futures雑感

International Conference on Politics of Sound and Technology 2025 – 한양대학교 음악연구소 https://mrc.hanyang.ac.kr/audible-futures/

Hanyang UniversityのMusic Research Centerが主催して開催している会議に初参加した。
“Rethinking Sound” (2018), “Differentiating Sound Studies: Politics of Sound and Listening” (2022)に引き続き、今回は "Audible Futures: Media, Ecology, and Art"という名前で開催。3月末あるいは4月半ばという日本の大学人にとってはなんとも参加しにくい時期の国際会議なので、なかなか難しかったが、今回初めて参加できた。
二日間で、同時開催は二部屋あるいは一部屋という規模の小さめの会議だが、それでも40名くらいは参加していたとのこと。発表しなかった参加者も含めるともっといたようだ。様々な国から様々な年代の様々なディシプリンの研究者あるいはアーティストが参加していた
僕が聞いたのは、ストリーミング・プラットフォーム分析、磁気テープのエコロジーとマテリアリティに関する研究、V Tuberの声のポリティクス、映画における音響分析、ゲーム音楽研究、北朝鮮に向けられたスピーカー放送の政治的含意、ネトフリやアマプラのストリーミング・プラットフォームにおける連続ドラマ再生インターフェースの問題(今回の発表のベストだったのではないか:https://mrc.hanyang.ac.kr/audible-futures/abstracts/#julin)、リビアの検問所における音響の問題、Samson Young研究、エグベルト・ジスモンチ(Egberto Gismonti)の作品へのブラジルのサウンドスケープとの関連の分析(発表者名は「ラファエロ」ではなく「ハファエロ」と読むらしい)、SoundWolf Co., Ltd.の創業者自身のお話、韓国の最初期のサウンド・アーティスト自身の話、AudioSpacesというプロジェクトの紹介分析、カナダにおけるFreedom convoyの話 (フリーダム・コンボイ - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%82%A4)、メシアンの楽曲における時間論、などなど。聞けなかったセッションではフィールドワーク系の話も多かったようだ。
とにかく話題が多様で、聴衆が前提を共有していない話題も多いのだが、だからこそ/にもかかわらず、質疑応答はフレンドリーに進行し、思いがけない指摘も多く、面白かった。細川周平さんが日文研でやっていた音耳研究班のように、刺激的だった。とにかく反応がポジティブで、コミュニケーションが開かれていて、質問もしやすかったし。coffee break時に他の人とも雑談しやすかった。美術史家、歴史家、文学研究者がいなかったなあ。
発表者の出身地はヨーロッパ、北米、ハワイ、東アジア諸国など。東南アジアの人はいなかったかも。主催者は国際会議に出席して、この会議への参加を呼びかけるなど地道な宣伝活動もしたらしい。IASPMのMLでも流れたはずだ。でも、よくまあ、色々な国から参加者を集められるものだなあ。研究者だけじゃなくアーティストも多かったし、大学院生だけでなく、テニュア持ちも多かった。日本からは僕が参加し、また、日本サウンドスケープ協会の(として僕は認識している)平松幸三さんがKeynote Speakerとして招待されていた。平松さんとは初対面だったのだが、大阪生まれ大阪育ちの人で、話しやすい人だった。京大退職後もイギリスとエジプトで働いていたらしく、中川真さんより年上でもまだ現役で研究続けている人もいるのだなあ、と思った。
僕の発表もそこそこ好評だったようで何より。僕は国際学会ではずっと「1980年代の日本の環境音楽と2010年代の日本のKankyō Ongaku」の話をし続けている(最終的には吉村弘研究として仕上がるはず)(たぶん)。研究内容の進捗は亀の歩みだが、次は8月に台北で、その次はおそらく20206年夏にコペンハーゲンで発表する予定。次は「アンビエント・ミュージック」についてちゃんと考えよう。
主催はHanyang UniversityのMusic Research Center。Music DepartmentのDeanをはじめ、フルタイム雇用のスタッフが4人以上とそれ以外にもたくさんのスタッフや学生が関わっていた。1日目に、平松さんに初対面の挨拶をしている流れで、Kyenote Speakerを労う主催者たちのお昼ご飯に潜り込んで、準備されてあった二段重ねの豪華なお昼ご飯を食べさせてもらった。実は、韓国に来る数日前に、主催者の一人であるカイさんから学会に関する事務連絡がfacebook経由で来たので、それまで「いつどこでfacebookフレンドになったか分からない人」だったカイさんが、2016年にソウル大学で開催された国際美学会で一回挨拶して会話したことのある人だったことが判明していたのだが(こちらで会ったらすぐに思い出した)、他の主催者とも2016年にソウル大学で一度会ったことがあったことが判明した! カイさんは、奥さんとしばしば日本に観光旅行に来るらしく、酔っ払ったら日本語が出てくるらしく、来日するたびに本屋さんで買い物するので『サウンド・アートとは何か』を持っていてくれたりした。人とはどこでどんな風に再会するか分からないものだから、色々な人と話をしておいた方が良い、という僕の信条が、改めて確かめられた。
そこ(おそらくMusic Departmentの事務室? Deanの部屋?)で昼ごはんを食べながら、Sound Studiesの会議を開催するには資金を政府から得るのが大切だとか、できる研究者は健啖家なのだとか、そんな話をした。主催者の皆さんはそれぞれ、モンテベルディやモーツァルトを専門としているらしく、K-POP研究の人も音楽人類学を研究している人もいるが、周囲のmusicologistsからは攻撃されることもあるらしい。「Sound Studies」を標榜していこうという意思を持って戦略的に動いているようだが、その情熱はどこから始まったのだろう? もうちょっと話したかったが、今回はそういう時間は見つけられず。
特別セッションでは、主催者たちとは別組織であるACC Sound Lab at the National Asian Culture Center (ACC)という部署の人が、ここ数年間の自分達の企画を説明していた。クリスティーナ・クービッシュを招いてワークショップを行ったり、レクチャーしたりシンポジウムしたり、いろいろ継続的にやっているらしい。ということは、Sound Studies的な事業を行う拠点が韓国には複数ある、ということかもしれない(Abstracts – 한양대학교 음악연구소 https://mrc.hanyang.ac.kr/audible-futures/abstracts/#acc; Asia Culture Center - ACC News - General(상세) https://www.acc.go.kr/en/board/board.do?PID=1001&boardID=NOTICE&action=Read&idx=1855 10年ほど継続しているみたいな話だったけど、まとまったウェブサイトを見つけられない)。
僕も「こういうSound Studies conferenceを主催してみたい!」と言っておいた。口に出しておけばそうなるかもしれないので。でも、実際問題として、実現可能性はなかなか低そうだ。資金も場所も人も難しそうだ…。年度末あるいは年度初頭という時期だけに、この学会のためにパネルを組むのも難しそうだし、次回参加できるかどうかも不明だ。
ともあれ、こういう良い会議を主催してくれて、主催者には感謝、である。しかも、参加費も会食代もかなり安かった(それぞれ30,000ウォンだった。国際会議の参加費としては破格の安値というべきだろう)。
今回のKeynote Speakerは平松幸三さんとMark Katzさんの二人だったのだけど、それぞれけっこう違うアプローチだった。
平松さんのは、アラブとヨーロッパ(と時々アジア)における「ノイズ」の話。ノイズが色々な文化からどのように出現してきたのかを考えるきっかけとなるデカい話で、細かなところを突けばいくらでもつつけるけど、そんなことしても仕方ない。こういうデカい話はKeynote Seechとして良いもんだな、と思った。
Katzさんの話は、最近の自分の研究の一つをしっかりと話すもので、熟練した学者の職人技を見せてもらった、という感じだった。Japanese Jazz Kissa-inspired cafeが世界中で作られていて、そこでは"pure audition"が追求されている云々という研究で、IASPMとかで発表されそうな内容。それでKatzさんは昨年の夏に日本に調査に来ていたのか。また、この内容は『Capturing Sound』の増補改訂版に収録するらしく、2026年には公刊されるとのこと(初版が2004年で、すでに2010年にrevised editionが出版されているけど、さらにrevised editionが出版されるらしい)。僕も、日本のジャズ喫茶に触発されたShogunとかいう名前のカフェに行ってみたい。
Mark Katzさんと言えば、最近歓びのうちに関西から送り出された秋吉くんが、短期間留学していた際にお世話になった先生である。良い人だという噂は予々聞いていたけど、確かに、少し話しただけで、その誠実で優しそうな人柄は看取された(今回、香港から来た17歳の学生にプレゼントをもらったらしい。Mark Katzさん目当てで来たってこと?)。僕は発表で「最近3月20日に吉村弘のFLORAというアルバムがレコードとしてリリースされた、これはJonathan Sterneが残念ながら逝去したのと同じ日だ」という言葉を入れ込んだのだが、彼は反応してくれたし。彼は日曜に帰国し、月曜に授業があるらしい!
ソウルでは街歩きとかする時間はなく、宿と大学と空港あたりしか出歩かなかった。現金はほぼ使わず(ちゃんと下調べしていたらプリペアドカード購入で問題なかった地下鉄のチケットだけ、現金で購入した。そこも現金使わずに済ませていたとしたら、現金を使う必要はなかった)。クレジットカード社会だ。今回はdotolimや美術館にも行けなかったし、学会参加以外何もしていない。でも、もう帰宅の途上である。ちょうど良いタイミングで乗れたので、成田エクスプレスである。
帰りたくない。
新年度が始まるという事実に向き合いたくない。











2025-03-13

3月19日にARTS STUDY「XEBEC と神戸」 にお話の聞き手として登壇します

先週も神戸(→梅田→金沢)に行ったばかりですが、来週も行きます。

CAPが主催するARTS STUDYという「芸術鑑賞のための勉強会」の一回に、XEBEC元ディレクター下田展久さんのお話の聞き手として登壇します。

講座はMusic / Art / Danceに分かれていますが、僕が登壇するのは「Art」の3月19日のA-11です。1990年代にポートアイランドで展開されたXebecの活動について、下田展久さんがお話する回です。この回の主題は、サウンド・アートではなくXebecなので、中川は「日本のサウンド・アートの歴史においてXebecが果たした重要性」などについて10分ほど話す予定。うまく「聞き手」できるかな。

「Art」全体は「ARTはどこから⽣まれるのか?-KOBE 1950S-1990S」というもので、神戸で行われてきた様々な現代アートの実践を知る、という趣旨のようです。毎回、具体やらグループ〈位〉やら南蛮美術感やら関西ニューウェーブやら、聞いたことのあるものからないものまで、なんともマニアックで腹持ちのしそうな勉強会ですね。

ともあれ、ご都合のつく方、どうぞおいでください。

Art - ARTS STUDY https://cap-kobe.com/arts-study/?page_id=21

0319に行って0320に横浜に戻る予定です。0320にすることを探しています。何かあれば教えてください。

2025-02-09

ubuntuで視聴覚ファイルがたくさん含まれているkeynoteファイルを使う方法:LibreOfficeのImpressでできる?

実は今までver7あたりのものだったみたいで、今のヴァージョン(ver25.2)にアップデートしたら、pptx形式のままだとダメだったけど、odp形式で保存したものならば、視聴覚資料を再生できた!!!

しかし、Impressのスライドショーで動画を再生している際に、シークバーが見当たらない!!!

2025-01-06

ubuntuで視聴覚ファイルがたくさん含まれているkeynoteファイルを使う方法:htmlでエクスポートする(ただし編集も再利用もできない)

keynoteファイルをubuntuで再利用する方法を探している。文字や図像だけなら、powerpointファイルにエクスポートしたものをImpressで開けば良い(文字の位置などがズレるが、微調整すれば良い)。

問題は音声や映像がたくさん含まれているもの。いちいちスライドから離れて別のアプリでファイルを開くのは面倒なので、プレゼンテーション・ファイルに取り込んでいる。

keynoteからpowerpointファイルにエクスポートしたものは、音声も映像もエクスポートされる。しかし、そのpowerpointファイルを、Impressで開こうとすると、開けない(理由は不明。大き過ぎるから???)。

htmlでエクスポートしたら、デザインもほぼずれずに、音声も映像もエクスポートできた。

ただし、このやり方だと、スライドの編集ができないし、再利用もできない。授業とか研究発表の前にスライドの編集ができないので、実用的ではない。

モヤモヤ。

2025-01-01

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます

本年もよろしくお願いします


2024年はこの画像のような感じでした。研究活動の総括は年度末にするけど、研究以外の点でも、2023年末に単著『サウンド・アートとは何か』を出版できたことは大きくて、今後の方針が何となく見えてきたので、倦まず撓まず、やっていきます。出不精を辞めて、色々なところに顔を出していこうと思います。


(このポストを予約投稿したので、寝ます)