2009-07-28

『機械のある世界 ちくま文学の森. 11』

安野光雅(あんのみつまさ)(ほか)編 1988 『機械のある世界 ちくま文学の森. 11』 東京:筑摩書房。
機械のある世界 (ちくま文学の森)
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僕自身の関心に基づいて読もうとしたものだから、「目的」があって、それは「音響テクノロジー/メディアに対する反応を示す事例をピックアップすること」。
でも、多少なりとも「音響テクノロジー/メディア」に関連するのは、

アンデルセン「ナイチンゲール」
"機械仕掛けの鳥の鳴き声"

ポー「メルツェルの将棋差し」
推理小説とかではなく、ケンペレンが発明してメルツェルが所有していたThe Turkの謎解き

寺田寅彦「蓄音機」
刺激的な着想が記されている、とても良い随筆だと思う。

の三つくらい。
そりゃ「機械」といって想像力が刺激されるのは、時計とかネジとかゼンマイとかだ、という当たり前のことに気づいた。
そしてさらに気づいたこと。
僕は、なぜ、特に音響テクノロジー/メディアの黎明期の色々な事例に関心があるのだろう?映画とか視覚テクノロジー/メディアとの関連を考慮に入れるべきだろうに。
「声の再現」を可能とする/しないという軸は何か決定的な軸な気もするけど、音響テクノロジーは声だけではなく音全てを扱うテクノロジーだ。
これ、夏の間にもっと事例を集めて、考えてみよう。何個か集めれば、何か上手いことを考えられそうな気がする。


この「ちくま文学の森」がシリーズで出されてたのは、もう10年以上前なんだな。一昔だな。
このアンソロジー、けっこう面白かったのだけど、この感性は古いのだろうか?
E・ハミルトン「フェッセンデンの宇宙」は、あのラジオの実験をしたフェッセンデンのことか、と思ったけど、全然違って、小宇宙もののSFだった。ちょっと面白かった。

「機械のある世界」 ちくま文学の森11の目次については、TK.blog参照。

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