古本屋で見つけてパラパラチェック。CDに強い抵抗感を抱いていたアナログ・レコード愛好家の音楽評論家のことば。
もう、ロジックが古臭く破綻しているので、82年のCD登場直後かと思ったら、発行は1991年だった。90年代に入っても「CDへの抵抗感」がけっこう根強く存在していたことが分かる。
「CDはダメでレコードは良い」と主張するロジックがけっこうな屁理屈で、アナログ・レコードは社内に放置しておくと熱で曲がるけどそれはもう一度熱を加えたら元に戻るかもしれないけれどCDはちょっとでも壊れるともうダメになる0か100かの商品だ(77)とか、CDには「音が作りだす温もりや余韻、言葉ではうまく表現できないもろもろのプラス・アルファ」(107)とか。
副題からして「CDは音楽の楽しみを奪った」なわけで、新しいメディアが登場するたびにそれに対する嫌悪感とか抵抗感は、旧来のメディアに注がれてきた情熱が大きければ大きい、たくさんの情熱と共に噴出するものなんだろう。
かまち潤 1991 『LPレコードの逆襲 CDは音楽の楽しみを奪った』 μBooks 東京:毎日新聞社。
LPレコードの逆襲―CDは音楽の楽しみを奪った (ミューブックス)
かまち 潤
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