2010-11-18

京都造形大の紀要に論文を書きました。

中川克志 2010 「雑誌『音楽芸術』における電子音楽の複数化―「ライヴ・エレクトロニクス」受容をめぐって」 京都造形芸術大学(編)『京都造形芸術大学紀要 2009 GENESIS』14(2010年10月):99-109。

書誌情報等は3.学術論文 - Audible Cultureをご参照ください。
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今年の春に出た、近大の紀要論文(中川克志 2010 「雑誌『音楽芸術』における電子音楽をめぐる二つのレトロ・フューチャー-電子音楽とコンピュータ音楽輸入時の進歩史観の変質?」 近畿大学文芸学部(編)『文学・芸術・文化』21.2:210-236。)の続きです。

これも、1950-60年代の『音楽芸術』を調査して見つかったテーマをまとめたものです。前の論文では、「電子音楽」と「コンピュータ音楽」の受容状況を調査しましたが、この論文では、コンピュータ音楽とライブ・エレクトロニクスの受容状況を比較しました。
けっこう地味な調査論文で、ここから大きな展望を開拓するといった類の論文ではありませんが、日本の電子音楽に関心のある人(というけっこう狭い領域の人)には便利なものになったと思ってます。

この調査を通じて幾つか見いだせそうなことがあったけれど、調査は中断しています。
「狭義の電子音楽→コンピュータ音楽」という進歩史観はけっこう脆弱でほぼ同時代にそこには組み込まれないままに「アメリカの電子音楽」が認知されていたこと、あるいは、その進歩史観とは別の進歩史観として「狭義の電子音楽→ライブ・エレクトロニクス」というラインがあったわけだけど1970年の大阪万博前後に「インターメディア」という概念も登場し、「ライヴ・エレクトロニクス」との差異化を探りつつも、アカデミックでクラシカルなゲンダイオンガクとケージ的あるいはアングラなものとしての実験音楽とを区分する概念として機能し始めそうな兆候があったこと、などです。



あまり需要はないだろうけど、この調査は、そのうち再開したい。
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抜き刷りは後日らしい。
ゲラ(校正原稿)も返却してくれるらしい。
ってことは、今やってるCrossSectionsも、本体が完成したら、各執筆者に校正原稿をきちんと返さないといけないのだろうか。
でも、今までゲラが返却されたことってあったかな。

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